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第6話

stage6
後日、指定された店に早めに着いた。

あなたの癖として
集合時間の30分〜10分前には絶対来るから

40分前に来てやった。



席に通されて荷物を置いたり
上着を脱いだりしていると

正面にある椅子が引かれた。
驚いて目線をあげると、
rot
あなた……、
目線をあからさまに外して

不機嫌そうな顔をするあなた。



頬を少し膨らませて可愛くて仕方ない。
久しぶりにあったあなたは

昔より髪が伸びていた。


本当に女の子みたいで
男ですって言われないと

初対面の人は気付かないと思う。


眼は赤のカラコンが入っていて
色白な肌もあやかって

ウサギみたいだななんて。
椅子に座ったあなたは目線を窓の外に持って行く。
rot
ごめんね、あなた
そう声を掛けると
目を少し見開いて口をモゴモゴと動かす。
僕も…ごめんなさい…
僕は笑顔で返してメニューを開く。


お互い謝ったら引き摺らないが
僕達のルールだ。



あなたもつられて
メニューを手に取って目を通す。
店員さん呼んでも大丈夫ですか?
頷くだけの返事をすると
綺麗に通る声ですいませんと声を掛ける。

女性の店員さんが出て来てメモを取り出す。
_
ご注文をどうぞ
rot
これとこれお願いします
え、僕も同じの…お願いします
_
かしこまりました
どうぞごゆっくり
まさか同じものだったなんてね、と

顔を見合わせてクスクスと笑う。


その時、女の子たちが数人で寄ってきた。

あなたは?で僕は嫌な予感しかしない。
@
あ、あの…るぅとくんですよね…?
やっぱり。

そう思いながらあなたを見る。すると、
違いますよ
そのるぅとさんを
知らないんですけどね
笑顔のあなたに少し頬を赤らめた女の子たちは

でもでも…と言葉を濁す。
@
私達、ライブも
握手会も行ったんです…
ぱちくりとした目で僕を見たあなたは

ぷっと吹き出した。
あはは!なら余計に違いますよ!
お兄ちゃんは普通の一般人ですから
でも良かったねお兄ちゃん、
有名人に間違われるなんて
良い思い出ですよ
rot
そうだね
すると女の子達は渋々帰ってくれた。
ふふ…‪w
まだ笑ってるあなた。

そんなにツボに嵌ったのか。
久しぶりに見る笑顔は

昔と変わらず可愛かった。