『んも 、神宮寺遅いなあ』
神宮寺とお弁当を食べるために屋上で待ってるんだけど 、なかなか来ない 。
その時 、小さな音が聞こえた 。
その音はだんだんと大きくなっていって 。
『ピアノ………音楽室からかな ?』
気になって 、音楽室に向かうと 。
髙橋さんがピアノを弾いていた 。
いや 、実際には弾き語りかな 。
あなた「岩橋くん ?」
『あ 、ごめん !音が聞こえたから……』
あなた「ふふ 、一緒に弾きますか ?」
『え 、いいの !?』
あなた「はい(ニコッ」
『やった !』
髙橋さんの隣にちょこんと座る 。
『すごい上手かったね !習ってたりとかしたの ?』
あなた「ま 、まあ」
そう言った髙橋さんの顔はなんだか悲しそうだった 。
『ねえねえ 、なんか弾いて !!』
あなた「わかった」
そっと鍵盤に指を置いた髙橋さんは流れるようにピアノを弾き始めた 。
『わあ !』
あなた「どう 、ですか?」
『すごいすごい !!あなたちゃんすごいね !』
あなた「え 、」
『ご 、ごめん !つい……』
あなた「そのままでいいです !
名前で呼ばれた方が慣れやすいので !」
『ほんとにいいの ?』
あなた「はい !」
『じゃあさ 、俺もことも"玄樹"って呼んで !!』
あなた「そ 、それはちょっと」
『俺だけ名前呼ぶのはやだ !
だったら俺も名前で呼ばれたい !!』
あなた「わ 、わかりました」
『あと 、ためでね !』
あなた「う 、うん !」
勇太「玄樹〜 ?」
『あ 、神宮寺が呼んでる !行かなきゃ !』
あなた「ふふ 、」
『そうだ !今日一緒に帰ろ !!』
あなた「ええ !?」
『約束ね !』
半ば強引に約束したけど 、あなたちゃんは一緒に帰ってくれるかな 。
あなた「げ 、玄樹くんと帰るなんて………」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!