なーくんのお父さんとお母さんはいない
2人を交通事故同時に亡くした
なーくん…その時に泣き崩れてて…
どれだけ寂しいか分かってるから私の面倒をよく見てくれる
私に寂しい思いさせないように…って…
そうだよ…これ以上なーくんの苦労を増やしちゃいけない…
大丈夫…うん…大丈夫…
う〜ん…なーくんが心配なんだよなぁ…
なーくんが納得するぐらい私たちの家は近い
なーくん…もっと私に甘えてもいいのに…
必要な物だけをカバンに入れて置き手紙を書く
コンビニでなにか買ってこようかな…
コンビニ前で座っていた3人の同じ歳ぐらいの男性
1人が私に声をかけてきたが気弱そうだからか他の2人も寄ってくる
足が動かない…
周りの人は見て見ぬふりをして通り過ぎていく…
結局3人はそそくさとどこかへ行ってしまった
お礼を言おうとしたけどすぐに歩きだす
服の裾を掴んで必死にお礼を言った
そう言われて振りほどかれた
でも…お礼言えた…!
なぜか走ってなーくんの家に帰った
必死になってなーくんに言う
褒めて欲しかった…
偉いねって言って欲しかった…
でも…なーくんは…
嬉しい…?そっか…嬉しいんだ…
走って帰ったのも必死になって話したのも…
なんで…なんでそんな顔するの…?
寂しいような…呆れたような…
そんな顔…
なーくんには似合わない顔だった…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。