俺は生まれつき人を操ることができる。
洗脳もやったことがある。
使用人を実験台にして、遊んでいた。
それがとても楽しかった。
人は簡単にあやつり人形に出来てしまうから、楽しくてしょうがない。
ずっと、操っていられる。
ずっと、洗脳ができる。
暁家は、玩具箱だ。
いろんな玩具がいる。
操って、洗脳して、飽きてきたら洗脳をといて捨てる。
それが俺の日常だった。
だが、そらの親父が俺の力に気づいた。
そして、俺の力のことは周りに知れ渡ってしまった。
化け物と言われ、座敷牢に入れられた。
まぁ、いい。
今、俺にはとってもいい玩具がある。
そらはいい玩具だ。
いままでの玩具よりとってもいい玩具。
俺が逃げようと行った時は拒んでいたが、今は俺の言う通りに一緒に逃げている。
だから、俺はこの玩具を絶対離さない。
初めて気に入った玩具なんだから。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。