第5話

五番目
25
2021/03/29 01:15
暁 そら
また来たよ。
サクヤ
お前……俺のこと好きになったのか?
暁 そら
ッ!そんなわけないでしょ!
暁 そら
ただ、昨日のことが気になっただけだから。
サクヤ
素直になれ。
暁 そら
うるさいわ!
サクヤ
で、昨日のことか……。
暁 そら
そう。あなたと私が家族って言うことよ。
暁 そら
家族だったら、座敷牢にいないでしょ?
サクヤ
……。
サクヤ
そうだな。
サクヤ
まぁ、簡単に言えばお前の親父に座敷牢に入れられた。
暁 そら
え?どいうこと?
サクヤ
俺は元々、ここの跡取り息子だった。
サクヤ
けど、理由もなしで周りに捨てられた。
サクヤ
置物扱いを受けてた。
サクヤ
泣いたら折檻。声を出したら折檻。動いたら折檻。
サクヤ
ご飯なんて今は時々与えられてるけど。昔は、まったく与えられてなかったから自分で探して食べてた。
サクヤ
で、きずけば玩具が置いてある座敷牢にいたと言うことだ。
暁 そら
それって……お父様が悪いんじゃない。
サクヤ
そうだ。
サクヤ
あと、お前の姉貴と母親と使用人たちも同罪だ。
暁 そら
え?
サクヤ
親父と同じことを俺にしてきたし。
サクヤ
でも、俺は嬉しいけどな。
暁 そら
どいうことよ?
サクヤ
(座敷牢越しにそらのあごを持ち上げて)可愛い花嫁様があいにきてるからなぁ。
暁 そら
ッ!そんなわけないでしょ!(サクヤの手をどかした。)
サクヤ
お前恥ずかしいのか?顔赤いぞ。
暁 そら
う、うるさい。
サクヤ
やっぱりお前は面白いなぁ。

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