第24話

 水面鏡の恐怖たち
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2021/09/16 06:00
コトリ
コトリ
【謝罪】
この作者サボっていたのではなく
忘れていたのです。←←←
信じられないですが
ゴールド通知来てようやく
思い出しました。
そういえば作品書いてたわと←←

更新遅くなり申し訳ございません!
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「誰?」
黒髪を風に流しながら慌てたように振り返る女。
制服と名札で何となく分かった。
姉妹校の西中のやつだと。
「あ、ごめん。
僕は北中の山中 蓮って言うんだけど。君は?」
一瞬何かの躊躇いを見せて、でも
直ぐに目線を俺から外した。
ゴミみたいな私利私欲の感情を、
俺はあまりにも知りすぎている。
だから人の魂胆だとか嘘とかに
敏感になってしまっている。
だけど、こいつからは一切
そういうのが見えない。
例えるなら「水」だと思った。
自分を映す水面のように、
こいつは「無」だから人の、自分の
嫌なところを全て映し出してしまう。
普通にしていればそこそこの美人で
品があってスタイルもいいのに、
どうしてこの女からは得体の知れない
恐怖が漂うのだろうか。
「気持ち悪い。」
「え?」
不意に聞こえたその言葉に思わず聞き返す。
「気持ち悪いって言ったの。
あんたから音が聞こえなかったから。

あんたが偏見だとか世間体とかに曲がった
都合の良い正義のヒーローだと思ったから。」
……あぁ、やっぱり俺はこいつが怖い。
濁りのない水面みたいに人の嫌なところを
躊躇なく突きつけてくるから。
ついでに音を立てないという俺の中の
無意識の癖を簡単に見抜く所も怖い。
だけど、こいつが怖いなら、
その水面鏡に移った俺にだって
多少の恐怖はあるんじゃないだろうか。
息を飲んで隣に座る。
「あっ、そう。
俺もあんたが怖いよ。」
「は?」
「あんたからは人が持ってる欲とか
そっから生まれる葛藤とか一切見えないもん。」
「ふーん。」
……沈黙の間に波が流れていく。
「西中の赤波真琴。」
「はぁ?」
「私の名前、聞いたでしょ?」
いやどんなタイミングだよ。
こいつはなんかちょっとやばい……。

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