第30話

 幸せの答え
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2021/10/30 08:02
「幸せってなんだろう。」
その問いを生きながらずっと考えてきた。
血の繋がった両親がいること?
その両親に愛されること?
友達と仲良くして、喧嘩して、仲良くなること?
本音を言い合える人と出会うこと?
自分の意見を誰かに言えること?
何にも制限されずに生きていけること?
いつまでも、隣にいてくれる人がいること?
好きなものを好きだと言えること?
恋して付き合って結婚して子供産むこと?
好きな部活入って青春すること?
多分、どれも全部正解で不正解。
幸せってたくさんあって曖昧で掴めないけど。
でも、確かにあるんだ。
朝、雲の色が綺麗に染まること。
昼、風が透き通っていること。
夜、月が綺麗に浮かぶこと。
好きなことを知ること。
誰かと話すこと。
したいことをすること。
当たり前の幸せが、ある。
世界平和だとか男女平等だとか
そんな大きなことじゃないし、
幸せの後には不幸せもあるし、
幸せって一言じゃ片付かない。
でも、それでも俺は幸せを問われたら
胸を張って言える。
幸せって「生きていること。」なんだって。
証拠は、俺が、真琴が、生きていること。
何も持たない、愛されない俺たちが
生きている。
それが今の俺の幸せ。
……うん、そうだよな。
真琴へのちょっと気が早いクリスマスプレゼントを
ポケットにしまって前を向く。
信号が青になる。一歩踏み出す。
キィーッと鈍い音がする。振り返る。
ーーーーダンッ

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