それでは、拙い1話の話ですが
どうか、お楽しみください。
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「あ、ごめんなさい。」
肩がぶつかって思わず振り返って、一瞬
揺れる黒い髪に目を奪われて、慌てて
俯き、目線をすぐ逸らす。
「いや、俺の方こそ。」
最近女子が「遊んでる」と噂の牧野姉妹の
姉の方だ。やけに綺麗すぎる上靴と
白い肌にうっすらと見える青あざで察する。
「えへへ、結構派手に転んじゃった。」
でもまぁ、なるほど。虐められる訳だ。
綺麗な黒髪、スっと通った鼻筋。
ぱっちりと開いた綺麗な瞳、白い肌、
どことなく溢れる気品。
それでいて話しかけやすいような気さくさ
どれも女子が欲しがるものばっかりで。
「ほんと、ごめんね。大丈夫だった?」
「うん、俺は全然平気だけど……。」
「あんたの方こそ大丈夫?」
「大丈夫だよ。私、体だけは強いから!」
返事になってない返事をもらって思わず
ちょっと気が緩む。
きっと、モテる理由も虐められる理由も
そこなんだろうなと思う。
「なぁ……。」
こんなのただの冗談に過ぎない。
テレビでやってたシュレディンガーの猫とやらに
例えるなら箱を開けてしまいたいだけ。
だから、こいつもきっと笑って答えてくれる。
「死なない、よな。」
3秒間、間が空いた。
正しくは俺の鼓動3回分の間。だけど
とにかく、割れ目みたいな間が開いた。
「死なないけど……
何言ってるの?厨二病?」
ふんわりと、お手本みたいな笑顔に
俺はこっそり息を吐く。
やっぱり、そんなこと、ないよな。
「じゃあ。」
「うん、バイバイ。」
夕日が差したちょっとボロいくらいの廊下と
醜い世界の中であいつだけが輝いていて眩しく
ちょっと目を逸らした。
解説通ります。はいドンドンパフパフ〜(((
特に解説する部分は、ない気がしますけれど
強いて言うならこの日が雨花の姉である牧野晴香の
命日であり、雨花が変わってしまった日です。
要するに隆が知っている嘘は
晴香がついた「死なない。」って言葉です。
つまりこの牧野姉妹、揃って隆に
嘘ついてます。姉の方を救えなかったからこそ
隆は妹の雨花に執着してるのか。それとも
純粋な好意、興味心なのか。
そこは私にも分かんないですけど
とにかく晴香が最後に出会って嘘をついた相手と
雨花が最初に誰かのために嘘をついた相手は
隆なのです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
ゴールドに達する事が出来たので
コトリはこれで何時でも成仏可能です……٩( 'ω' )و
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。