第14話

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2019/12/28 11:36
涼side
瑞稀が倒れて数分。

瑞稀は荒い呼吸をして顔を真っ赤にして、

目をつぶったままだった。
橋本「瑞稀……」
俺は瑞稀の頭を撫でる。

ねぇ瑞稀?

そんなに無理してリハ参加するもんじゃないよ?

休んだら迷惑とか思ってないよ?

どっちかって言うと

無理してくる方が迷惑かな。ほら。

こんな風に倒れたら心配するてでしょ?

心配してろくに練習もできないんだから。

まぁ、休んでも練習できないけど。

お願いだから瑞稀。

もう絶対に無理しないでね?
猪狩「はしもっちゃん。交代」


橋本「了解。よろしくね」


猪狩「はーい。瑞稀くーん。大丈夫ー?」
あー、めちゃくちゃ心配。

練習したくなーい。

瑞稀のそばにいたいよー。

んー、でも練習しないとー。

あー、落ち着かないーーー。









 









蒼弥side
はしもっちゃんとバトンタッチしました。

どーも、猪狩です。最近思い始めました。

俺ら、瑞稀くんのこと、

心配しすぎなのかな?って。

明らかに心配しすぎですよね。

ローラースケートのことだって、

単独行動のことだって、

元気なかったり、体調悪かったりとか、

俺らマジで心配すぎです。

優斗よりヤバイ可能性あります。

直すにはどうすればいいでしょう。
井上「ゴホッゴホッ……!ん………ゴホッ…。
   がりさ………?ゴホッゴホッ…はぁ……//」


猪狩「瑞稀くん!?大丈夫!?」


井上「大、丈夫………はぁはぁ…ッ///」


猪狩「ごめんごめん。
   無理に話さなくていいよ。
   大丈夫大丈夫」
トントン
井上「はぁ、はぁ、はぁ………///」


髙橋「あ、みずっくん、目覚めた?」


猪狩「うん。でもまだキツそう」


髙橋「そうだよね。みずっくん、
   お水飲める?」


井上「飲めるぅ………///」


髙橋「じゃあ飲もっか」
そう言って優斗は瑞稀くんの頭を支えて、

ペットボトルの水を飲ませる。

カレカノかよ。

病気の彼女を看病する彼氏。

羨ましいかよ。

てか今はそんなことじゃねえよ。
髙橋「よしよし、飲めたね。
   タオル、変えようか」


井上「うん………///」


猪狩「あ、俺行ってくる」


髙橋「あ、ありがとう」


猪狩「おぅ」
みずっくん大丈夫かな……。

レッスン終わりまであと数分。

俺らが帰るまで、

みずっくんは帰さない方がいいって

みんなで話して決めた。

話さなくても最初から決まってたことだ。

やっぱりこういうところなのかな。

俺の心配性。だって心配じゃん?

こんなに熱あって、

帰ってる途中で倒れたりしたら

誰がどうするの?

誰もどうすることできないじゃん?

女でも男でも俺の知らない誰かが

瑞稀くんに触れるとか絶対やだもん。

当たり前じゃん。

彼女とかたまたま通り掛かった

先輩とかなら全然いいよ?

むしろ助けてあげてください。

でも赤の他人は違うじゃん。嫌じゃん。

ファンの人とかキモいおじさんとか

そういう人いっぱいいるじゃん。

ましてやファンの人たちとか

瑞稀くんに何するかわかんないのに。
猪狩「優斗」


髙橋「あ、ありがとう」
俺は濡らしたタオルを優斗に渡す。

瑞稀くん、大丈夫?

俺濡らしてくるのちょっと遅かったかな?

遅くて悪化してたらどうしよう。

いや、俺こういうとこ。大丈夫だから。
先生「髙橋くん、猪狩くん。
   みんなで最終確認します」


髙橋「あ、はい」


猪狩「了解です」


髙橋「みずっくん。
   俺らちょっと行ってくるから、
   ちゃんと安静にしておいてね?」


井上「うん……//」


髙橋「がりさん、行こ」


猪狩「うん」
俺らは瑞稀くんのところを離れて、

練習場所に行く。
猪狩「なぁ優斗」


髙橋「ん?」


猪狩「心配性、直すのどうすればいい?」


髙橋「んー…。俺も知らないけど、
   とりあえずみずっくんのこと、
   信じてみたら?」


猪狩「やっぱそっか…」


髙橋「そうだね」
やっぱ信じるしかないよな。

心配性を直すにはどうすればいいのか。

結論。信じるしかない。

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