第16話

16
678
2020/01/01 07:48
瑞稀side
井上「ん、優斗・・・・」
熱の辛さで寝て目を覚ましたら、

隣にいたはずの優斗がいなかった。

俺は不安でいっぱいになった。

熱も引いてきてる・・・・。

大丈夫・・・・。探しに、行く・・・・。

俺はベッドを出て、家中を探す。

何で?何でどこにもいないの?
井上「優斗・・・・」
今まで、

優斗がいなくてもこんな必死に

探したことなかった。

でも今は熱があるからなのか、

誰かいないと寂しい。

誰かが一緒じゃないとなんだか、

めちゃくちゃ不安になる・・・。

だから、今優斗がいないと、俺・・・・・!
井上「・・・・ッ!」
優斗の、靴、ない・・・。

俺に黙って帰っちゃったの?

嫌だよ・・・。
ガチャ
俺はたまらず家を飛び出した。

優斗、優斗、どこにいるの・・・?

お願いだから、俺のこと一人にしないでよ・・・。

俺はその場にしゃがみこんだ。

もう立てないくらいに泣いてたから。

優斗のバカ。

ずっとそばにいるって・・・・・、

どこにも行かないって言ったじゃん・・・。
井上「優斗ぉ・・・・!」


髙橋「みずっくん!?」
( ゚д゚)ハッ!
井上「優斗・・・!」


髙橋「どうしたの!?大丈夫!?」


井上「ヒグッ・・・グズッ・・・ゆうッ・・・・グズッ」


髙橋「よしよし。話し、あとで聞こうか。
   とりあえずお家戻ろ?」


井上「う・・・グズッ・・・ん・・・」
俺は優斗が急にいなくなった怒りだったり

寂しさだったり不安だったり、

それに優斗が来てくれた安心感、

感情がぐちゃぐちゃになって涙が溢れた。

帰ったらいっぱい言うもん。

いっぱい怒るもん。













髙橋「みずっく~ん。お家ついたよー」


井上「ん・・・・」
優斗に必死になって疲れた俺は

優斗に抱っこされて、

いつのまにか寝てたみたいだ。

寝てたはいいけど

なんかまた熱上がってきたかも。
髙橋「あー・・・・」


井上「?」


髙橋「熱上がってるね。寝よっか」


井上「いい・・・・」


髙橋「だーめ。はい、行くよー」


井上「んぅ~・・・・」
抱っこされてるから逃げることできない。

だから優斗の言うこと聞かなきゃいけない・・・。

もう嫌だーーー。
井上「(-.-)」


髙橋「そんな変な顔しないのw」


井上「なッ!変な顔ってひどい!」


髙橋「ごめんごめんwほら、おでこ出して」


井上「ん、」
ピタッ
髙橋「はい」


井上「冷たッ・・・!」


髙橋「冷えピタだからねぇ」


井上「そんくらいわかってるし!」


髙橋「はいはいwゼリーいる?」


井上「あるの?」


髙橋「さっき買ってきた」


井上「食べる」


髙橋「はーい」
優斗がコンビニの袋からゼリーを取り出す。

ミカンゼリーだ。俺が好きなやつ。

さすがだね、優斗。

ちゃんと俺の好みわかってる。

そういうところが好き。
髙橋「はい、みずっくん。あーん」


井上「いや、俺自分で食べるし」


髙橋「病人は黙って言うこと聞いててください」


井上「・・・・・」


髙橋「ん、いい子」
そう言って優斗が俺の口に

ミカンゼリーを入れる。ん、美味しい。

ミカンいっぱい入ってる~。
髙橋「美味しい?」


井上「うん!」


髙橋「ふふっ。そっか」


井上「優斗!もっと!」


髙橋「はいはいwあーん」


井上「あーん」
んー、美味しいなー。

何個でも行けるよ、俺。

めちゃくちゃ美味しいもん。

俺熱出て良かったわー。

いや、熱でなくても食べるわw

てか、

優斗に甘やかされてたら眠くなってきた。
髙橋「あー、寝ちゃった・・・w」


井上「・・・(。-ω-)zzz」


髙橋「おやすみ。みずっくん」

プリ小説オーディオドラマ