第6話

子供の頃の僕
24
2020/07/15 06:22



《咲哉side》








10年前、小学四年生のとき











僕は音楽に出会った。















明るく賑やかな街中で













路上ライブをしていたあの子が歌っていたあの曲。




 







今でも覚えてる。












彼女の素晴らしい歌声は












歩いていく人を釘付けにした。











彼女の歌っているときの表情は












美しかった。















その曲を聞いているとき














賑やかな街中が静まり返った気がした。













時が、止まったような気がした。












今、彼女は何処で何をしているだろう。












知っていることは、背中の傷があるということだけ。


  









風が吹いたとき、ちらっと見えた
 










背中は傷だらけだった。













その日をきっかけに僕は









音楽に魅了され









音楽を愛してきた。









音楽をしていたら











いつか彼女に会える気がしたから。















今思えば
















あれは





















一目惚れだったのかもしれない。










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