淡い香り漂う甘い日
クミ視点
朝早く、こそりと動くひめがみん。
ケーキやクッキーを持って、
朝日が昇る頃にリビングへと降り立つ。
まだまだ床が冷たい頃、
滑りかけるフローリングの上はまるで氷同様。
寒さに耐えつつ、お皿に盛り付けていく。
しかし…朝から甘い物で大丈夫かな…
なんて心配もしてしまう。
そんな心配しなくていいのはともしかいない。
なーんて、柄にもなくふざけているから。
私もそのノリにのりたくなるじゃん。
私は姫より、執事の方が合ってるでしょう。
深々と頭を下げて、
面を上げた時、指先までピンと伸ばしてテーブルの方へと案内をする。
急にこんなこと言うから、
ソーラさん達は思いきり笑ってたけどね。
お姫様ごっこはもう終わりですかw
楽しいからまたやろうかな。
甘い匂いは淡くなり、
作ってる時よりもうわからない。
でも、普段と違う雰囲気は味わえるだろう。
起きてきた時が、
バレンタインの始まり。
いつもみたいに寝過ぎないでよ?
特にともとやんわと。
流石に朝がお菓子だけはダメだから…
お菓子に合いそうな紅茶を準備して、
人数分のパンを焼き始める。
トーストとかでもいいけど、
綺麗なお菓子達を主役にするために、
小さくラスクにしたり、パンスティックみたいにして、その場を飾り付けた。
うん。我ながらいい感じ。
これだけは今作ったからこの匂いに釣られてそろそろ起きてくるは…
アイクさん。
安定の早起きさん。
でもバッちゃんより早いのは想定外かも。
まぁそういう日もあるってことで。
眠そうな頭を一生懸命まわしている。
まだぽやぽやしてるけど、
次の一言で完全に目を覚ますだろう。
今の時間は朝の7時ごろ。
8時にはみんな絶対起きて(起こす)からそれまでは、みんなで朝のお喋りの時間。
これがしたいが故に早く起きる時もある。
朝早く、寒さに耐えつつリビングへ。
その時間は至福のものよ。
日課になっても飽きない時間。
今日それに参加するのは4人です。
最後に起きてきたのはとも。
ちゃんと目を輝かせて早く食べたいと言わんばかりに騒ぎ始める。
ちなみに珍しいことに鳥ちゃんとかwatoさんも騒いでいる。
甘いものよりMARVEL HEROとかの方が目キラキラしてるのに。
やんわとの場合はお酒ねw
生チョココーティングのケーキは8等分に。
マカロンとクッキーは食べ放題にして。
お菓子を頬張るあかがみん男子の姿は何とも可愛いもので。
目がないのは大体わかっていたんだけど、ここまで楽しみにしててかつ美味しそうに食べるとは…
watoさんが若干意識飛びかけてたけど…
なんやかんや言いながらも美味しそうに食べてくれたあかがみん男子メンツ。
お腹はすごい膨れてたけど、
みんな幸せそうに食べてたから…まぁいいかなw
ちなむと、全部食べてくれました。
朝からごめんって思いもあるけど、
何より「美味しい」って言って食べてくれるのが1番嬉しいよね。
そんなことを話しながら私はゲームを起動する。
喜んでくれたなら、
お菓子たくさん作って良かったよ。
だけど、何か違和感。
カロリー消費しよか、って言って何故か苦笑いんしてるあかがみん男子は…どしたんだろ。
てか、主にともと鳥ちゃんとバッちゃんなんだけどさ…
違うな。
苦笑いじゃない。
なんか、苦しそう?
私の心配が無駄になる程、
この後のゲームは白熱したからいいんだけどね。
やっぱりパーティーゲームは盛り上がるね。
最後まで撮影してたみたいに見所たくさんで。
これだけで名場面集作れそう。
いくら食べても許される日
とも視点
実はもう夜は更け始め午後6時。
夕飯何するか討論中。
俺は頭の中に思い浮かぶはお菓子のこと。
美味しかったひめがみんのお菓子。
昨日作った撮影のお菓子。
そして…
カメラ外で作った…
感謝を伝えるためのお菓子。
今日の朝のお菓子のお返しを。
今日、チョコはいくら食べても許される日。
なら、俺たちの思いも一緒に渡しても…いいよな?
ソファーに座る3人の前に膝跨いてそう言う。
この様子は、ちゃんとアイクさんとwatoさんが眺めていた。
柔らかい眼差しで。
微笑み返しているように。
to be continued…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!