時は遡って昨日…
wato視点
撮影箇所に着いた時、
いつものようにわとばすラジオを展開しながら機材のセッティングをしていく。
ともさん達は買ってきた材料を並べて、
これまた画角の確認をし始める。
それにしても…
材料5人分ってまじか。
映ってんのは3人なのに…
スタッフ2人分を足してるって見てる人は思うんかな。
なーんて思いながら、
カメラのRECを押すまで…
3…2…1…
合間の喋りも忘れない。
でも、今日はともさんの雰囲気が少し違う。
何か企んでそうな目。
そして、その勘は思いもよらない考えで帰ってくる。
あぁそうやん。
アイクさん生チョコ食べるの楽しみにしてたの俺も知ってんのに…。
この企画の趣旨は、
後でともさんが編集で入れるらしいから…
俺らは作るだけらしい。
作ってるところを映すのは、
ともさん、よっぴーさん、アイクさんの3人やけど…
声だけ出演カメラ外で、
俺とバステンさんは作るらしい。
これならまぁ、ええやろ。
決して映りたくないだけやないよ?
だってそんなん言ったら、旅動画ん時『行く』って言わんもん。
何なら第2弾考えとるらしいし。
それはともかく。
今日はお菓子作りで参戦。
その相手はアイクさん。
めっちゃ上手いの作ったろ。
こんな感じで、実写初参戦のバステンさんの調子も伺いつつ…
順調に撮影を進めていった。
滞りなく進んだ撮影も終盤。
各々が飾り付けにいき、
完成系が見え始めていた。
俺が撮ってる写真の手も止まらん止まらんw
お留守番の3人にたくさん見せたいからな。
そのあと、要望だった生チョコ作りをして…
またそれをカップケーキの隣に添えて…
今年も上手くいったの一言が出る、って思っていた。
俺はアイクさんが作ってくれたカップケーキを指差す。
あと生チョコも。
ともさん達の目の前に置いてるカメラ。
キッチン全体が映るカメラ。
それらはずっとまわっていた。
でも、手元を映すカメラ2台は、
途中で充電が切れていたんだ。
今日のカメラは4台。
そのうち、1番大事にしたい細かなところが映るカメラは1つも機能していなかった。
必死すぎて思わず笑ってしもた。
まぁ、うん。
これは誰のせいでもない。
充電切れた音が誰にも聞こえてなかった。
つまりそういうことよ。
現在に戻って…
アイク視点
後ろからこの様子を見てたら。
6人とも本当に幸せそうで。
遠くに立つ俺らも、
思わず微笑んでしまうほど…
この部屋には温かな優しい雰囲気が漂っていた。
俺もこのカップケーキは、
watoさんからもらったものを食べた。
俺たちにも、
向こうの温かな雰囲気が伝染する。
幸せな思いで充満していく。
バレンタインデー
一年に一度だけ、
甘いものをどれだけ食べても許される日。
チョコと思いで溢れる日。
そして同時に、この日は…
大好きな人に『だいすき』と『ありがとう』を伝えられる大切な日。
話の話題はすぐ6人のもとへ。
その意図を、探られる前に。
どうやら、バレンタインは、
いつにもなく良い日になった模様。
それぞれの想いと甘さに染めて染められて。
今日、みんなの恋模様は…何色だろ?
ここから先を考えてしまうのは…無粋か。
さて、まだチョコは残ってたかな〜
ーーendーー
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。