ずっと側から
ソーラ視点
春の陽気が窓越しに伝わる今日この頃。
私たちは朝から彼らの叫びを聞くことになるでしょう。
というかなりますw
プルルルル…
焦ってるなぁ…w
なんだか申し訳なくなってきた。
だけど、ごめんなさいね。
こんな日くらい、
ちゃんと日頃のお返しがしたいんです。
時は遡り決行1週間前…
私たちのいつもの生活、というと…
ゲームには勝てないし、
かつ煽りまでついてきてしまうのはいつものことで。
ケーキを食べたりしようものなら…
そう言って私の頬下についたクリームを掬って
取って食べられるっていうのも日常で。
余裕そうなあかがみん男子にいつも振り回されているのが既に日常と化しているのです。
アイクさんなんて普段『俺』って言わないじゃない!
なんとなくwatoさんは普段通りな気はしてるけど…
まぁそんな感じで、
仲が良いという故、毎回やられっぱなしなのです。
ドキドキさせられるわ、煽られるわで…
だから、私たちだってそろそろ仕返ししたっていいですよね?w
場所は変わって私のお部屋。
普段叫ばないから吸音素材なんて使わないから、多分外まで声は漏れていたでしょうw
でも最近みどぅりーとガラガラヘビのせいで叫ぶから吸音材買おうかしらw
ともさんに聞きましょうか。
ってそうじゃないそうじゃない!w
今はあの5人に対する仕返しを考える時間なんですから!
2人を仲間に引き入れて、
普段の仕返しを、ただやりたいだけなのです。
だってやられっぱなしは悔しいですから。
簡単な話。
嘘をついてまたいじられる前に、
私たちが大きな嘘をついてしまえばいい。
嘘をつけるような状況を作らなければいい。
まだ決行には時間があるから。
万全の準備をして…日頃のお返しを…だなぁ。
やろうとしてるのは…簡潔に言えば『家出』
いじられてる本人がいないってのはこういうこと。
私たちは4月1日にこの家を出て行く『フリをする』
ただ、5人の前から姿を消すだけ。
それで反応を楽しみたいっていうのと、
普段やられっぱなしだからっていう…w
どちらにせよ楽しみよね。
いつもとは立場が逆転するんだから。
こんな感じのことを必死に説明する。
その間、どんどん声がデカくなっていたのかもしれない。
全くというほど自覚はなかった。
なんて楽しみなことに心躍らせ、
盛り上がりを見せるひめがみん会議。
でも、その会話はドア1つ挟めば筒抜けになっていました。
1人の男にはね。
カタンッ
こんな大きな事を話しているのだから、
部屋の外の音にはもちろん過敏になる。
特に感覚が常に研ぎ澄まされているクミさんはやっぱり反応が早い。
外で笑う声が確かに聞こえた。
今、うちの住人は普通にいつもの生活を送っている。
誰が部屋の前にいてもおかしくない。
ガチャ
この言い方だと…
細かくは知らない…のかな?
でも、中途半端に知られてても、
結局他の4人に伝わるかもしれない。
うまく…隠せるかな…
成り行きに…というか、
ノリがいいといいますか…
とりあえずひめがみん+αで今回の作戦を実行することになりました。
あかがみん男子への仕返しだったんですがね。
アイクさんにはまた別の機会にでもしましょうか(黒笑)
でも、アイクさんが協力体制になったことでいくつか良いことが増えた。
灯台下暗しとはまさにこのこと。
アイクさんが部屋を探すフリをして私たちを匿うというのです。
それから、いい具合に4人を誘導してくれるそうで。
1人でも詳細を知ってる人がいれば何かあった時に対処もできる。
ちょっと重荷をかけすぎかもしれないけど、でも快くやってくれるらしいw
まぁとんでもないことを私たちはやったんだなぁ…なんて考えながら…
某青い鳥のアプリをいじったり…
静かな声で雑談したり…
久々の休みでもあったし、
ひめがみん3人はのんびりとその時間を過ごしていた。
そんな感じで時刻は正午前。
下ではあかがみん男子の声が響く。
何やら探しに行こうという動きの模様。
ただ、4人がここを離れるまで油断は禁物。
ここでバレたらつまらないじゃない。
後のこともあまり考えてませんけどねw
ドタドタ…コンコンコンッ‼︎
ガチャ!
私たちは顔を見合わせた。
冷静でいつも遠くからものを見るあのアイクさんが、ここまで焦ってると、こちらも少し不安になってくる。
…やりすぎが良くないのはいつも私たちがやられてるからわかってる。
いい具合に終わりたいのなら…
もう、頃合いなのかもしれない。
困惑するアイクさんを置いて、
私たちはとあるものをとりに部屋の奥へと行く。
その間、アイクさんを連れて行くのも忘れずに。
大きなお返し
アイク視点
某チャットアプリであかがみん男子に連絡を入れる。
なんとなく電話するのは怖くてw
それにしても、こんなにひめがみんのみんなが用意周到だったとは…
俺が考えるよりもっと深く考えていたようですね…。
ただ、帰ってくる4人の反応次第では…ってところが唯一心配なところですけど…。
まぁ考えすぎても仕方ないですね。
こうなりゃ4人揃って怒られるまであるから。
なんて悠長に考える暇なんて与えられなかった。
ドタドタ…ガチャ‼︎
その大声に萎縮しかけていた。
その気迫に押されかけていた。
いつもは温厚な人だから。黒いけど。
でも本当のこと言ったら、
その表情、少し和らぐのかな。
純粋にこの場を楽しんでるひめがみん。
エイプリル・フールでの仕返しは一応成功。
だけど、俺はこれだけで終わるとは思いませんよw
to be continued…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。