××××。
暗い道を1人で歩いていく。
これで何回目だろう。
冷たくて、暗くて、、、
まるで死んだみたい。
いつも、明るい光が俺を呼んでくれるから
俺はいつもそちらへいく。
「そらるさん」と呼ぶ声は
あいつにそっくりだった。
そらるさんと僕が事故にあったのは何時だったかな。ふたりで買い物に行っている時に、バスが突っ込んできたんだっけ。
そらるさんも僕も入院を余儀なくされた。
僕は、すぐに目を覚ましたがそらるさんは、未だに目を覚まさないままだった。
「そらるさん」
声をかけても貴方は何も言ってくれない。
僕が呼んだら直ぐに駆けつけるよと
言ってくれたの嘘なんですか?
「まふくん?大丈夫?」
「天月くん、大丈夫だよ。心配しないで」
「でも、、、みんな心配してる」
「そっかぁ。とりあえず、心配しないでって伝えといてくれる?」
「僕は、そらるさんのところ行ってくるから。」
「え、、うん。気を付けてね.....」
「ありがとう」
そらるさんが隣にいない。それは、僕にとって最悪な事だ。みんなは、それをわかっていて心配してくれている。
「おはようございます。そらるさん。」
「今日は、僕の誕生日なんですよ」
「去年は、サプライズしてくれましたよね。ネックレス今も大事につけてます。」
ふと思ってしまった。
もう、あなたが目覚めることは無いのかもしれない。
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まふまふと買い物に行っていた。
そして、その帰りにバスが突っ込んできた。
俺はその日から、暗闇を歩いている。
光の方へ向かうがその光は、一瞬で消えてしまうのだ。「そらるさん」とあいつが俺を呼んでいる気がして。
「ひっ!」
俺の後ろには、きっと何かが着いてきている。友人の声がたくさん聞こえる。でも、どの声も俺には怖く聞こえて仕方なかった。
その声に振り返れば、俺はもうダメなのかもしれない。
「まふっ、、、たすけて、、、」
ひとりが怖い。まふまふと一緒にいるのに慣れてしまったのか、まふまふに助けを求めてしまう。
「なんでっ、、、怖いよ...ひとり嫌なの.....」
いつもなら、まふまふがいたのに。俺、まふまふに依存しちゃってるな。
もう、まふまふがいないとダメみたい。
今日も光は、消えてしまった。
俺は、どこへ向かえばいいんだろう。
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「まふくんっ、、!!落ち着いて!!!」
「やだっ、、、なんで?そらるさん!」
「おきてよっ!おきて!!!!」
まふくんがおかしくなってしまった。
そらるさんがいなくなって、精神的に。
なかなか起きない、そらるさんを見てまふくんは、毎日のように。
「起きてよ!!」
「そらるさん!!」
と繰り返す。そらるさんの目の前で大号泣してしまうようになった。
今日は僕あまつきがまふくんの付き添いできている。明日は、さかたん。そして、うらさん。
まふくんがおかしな事をしないように、見張り的なやつ。「大丈夫」というまふくんは、そらるさんにそっくりだった。
あの人も直ぐに「俺は、大丈夫」という人だ。そんなところまで、似てきている。
「そらるさん、、、」
「おきてよぉっ、、、」
「ぼく、ちゃんとするから。なんで、そらるさん守れなかったんだろ。あの時、そらるさんのこと、チャントまもれなかった。」
「まふくん.....?」
「まだ、あっちに行っちゃダメですよ。」
「行くなら、一緒に行きましょ?」
「僕が貴方を迎えに行ってあげる。」
「そらるさん、僕のお姫様。」
「あはははっ、、」
「だいすきですよ。あいしてる。」
まふくんは、そらるさんの唇にキスを落とした。
「ね、天月くん」
「な、、なに?」
「帰ろっか」
「う、うん、、、」
「そらるさんまってて」(ボソッ)
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天月くんと別れた後に、ホームセンターによって、ロープを買う。
はやくしんで、そらるさんに会いたい。
そらるさんを迎えに行くの。
「あはははっ!!」
「そらるさんっ!!ふふっ」
ロープをその、、、自殺ようの結び方で結ぶ。解けにくいんだって。今は、簡単に知る事が出来て嬉しいな。昔は、完全自殺マニュアルなんてものがあったっけ。
「いまいくからまってて」
「そらるさん」
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「うそでしょ。」
いつもならある光が、今日は消えてしまった。そして、まふまふの声も聞こえない。
どうしたらいいの。周りが真っ暗で何も見えない。
後ろから聞こえる声は、いつもより大きい。
「そらるさんはだめ!!」
「絶対に行っちゃだめだよ!」
「戻ってきてください!」
と言ったりしている。
もう、訳がわからない。
「そらるさんっ!!」
「え?」
暗闇の向こうから、まふまふの声が聞こえる。
「まふまふ、いるのっ??」
「はいっ!!」
やったぁ、、、まふまふだ、、、、
「あ!そらるさんっ!」
「まふまふっ!!!」
俺たちは、その場で抱きついた。
「そらるさん!だいじょうぶ?」
「こわかった...ひとりいや、、、」
「ごめんなさい。来るのが遅れてしまいました.....」
「まふまふに会えて嬉しから、大丈夫」
「!!そらるさんには、いつまで経っても勝てませんねw」
「あ!そらるさん!!」
「なに?」
「これ、プレゼントです。」
「ねぇっ!まふ?ほんと??」
「ほんとです。」
「そらるさん、僕と結婚してください」
「こんな俺でよければ、喜んでっ!!」
まふまふは、指輪をプレゼントしてくれた。
嬉しすぎて泣いちゃう。
「そらるさん、、、あの。貴方はまだ、生きれます。」
「え、」
「ムードをぶっ壊して申し訳ないです。でも、貴方はまだ、天月くんたちのいる世界へ戻れます。」
「あなたに会いたくて、僕は死んじゃいました。」
「そらるさん、選んでください」
「みんなの場所へ戻るか、僕と一緒にいくか。」
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そらるさんは、きっと戻るんではないだろうか。
みんなの場所へ。そらるさん、ゲームしたいでしょ。あと、皆とも話したいし、歌だって歌いたいでしょ?
「おれはっ、、、」
ね、そらるさん。
もう、ここでお別れだね。
「、、、まふまふについていくよ。」
「え!?」
「俺は、まふまふがいないとダメだし、あいつらよりもまふまふの方がずっとずっと大事。俺に会うために来てくれたんでしょ。俺、嬉しいよ。ね、俺もついていっていい?ずっとずっと一緒にいてもいい?」
ほら、やっぱりあなたにはかてない。
「そらるさん、」
「うん。」
そらるさんと僕は、手を繋いだ。
「あいしてます」
「おれも、あいしてる」
暗闇から僕達は、抜け出した。
もっとずっと明るくて、暖かい場所へ。
きっとそこはもう、僕達の幸せの場所。
抱きしめ合って、
キスをして、
お互いに触れて。
愛を囁き、そして囁かれ、お互い思うままに求め合う。
「「しあわせ」」
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ピ_________
「そらるさん、ご臨終です」
「そらるさんまでっ、、」
「まふくん、、、」
そらるさんもまふくんもいなくなった。
でも亡くなる前、そらるさんは笑っていた気がした。
最悪の結果なことは、間違えない。
こんなバットエンド誰も望んでない。
end
バットエンド?そんなはずないでしょ。
僕達にとってはハッピーエンドなんだから。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!