第39話

無題
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2020/08/31 12:55
無題


だから僕は生きることにしたよ‪𓂃 𓈒𓏸◌‬


【srmf】


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きらいだ。


怒鳴り声を聞くのが。


毎日、毎日怒鳴り散らす両親が嫌い。


別に僕に怒ってるわけじゃない。


けれども、聞いていて苦しいんだ。


それを止めれば、僕が怒られてしまう。


ほんとうは、それも嫌なんだ。



兄弟と比べられるのが嫌だ。

ぼくは何もいい所がないから


『○○のほうが』

『出来損ない』

『何もしなくていい』

『この家の恥だ』


言われるのは慣れたけど、やっぱり心のどこかで気づ付いていた。



学校が嫌だ。


明るく振舞っている自分が嫌だ。

ほんとうは、こんなにも暗い性格なのに。

『そのキャラじゃないとお前じゃない』

そう言われた。

じゃぁ、ぼくは一生演じ続けなければいけない。いつわりのじぶんを。


もう、うんざりだ。


なにもかもいやなんだ。


かぞくも


ともだちも


ぜんぶぜんぶ



あぁ



「しにたいなぁ」














「なぁ、まふまふ」



「はい?」


彼はそらるさん。僕の友達。
学校では仲のいいほうだ。
彼から話してくるなんてだいぶ珍しい。


「なんかあったの?」


「えっ?」


「なんか、いつもと違うというか、なんというか.....」


たしかに最近僕は、死にたいと思うようになった。それからは、もう酷い。

ご飯は食べないし

自傷行為はするし



「そらるさんの気の所為ですよ!きっとw」


わらう。いつも通りに。

笑えてる?いつも通りに??


「...」


「そらるさん?」


あれ、そらるさん。おかしいなぁ。

どうしたんだろ。



「まふまふ、ちょっとこい」

「ついてきて」


いつもより低くて怖かった。
こんなそらるさん見たこと無かった。

やだ

やだ

きらわれる

そらるさんに

え、

そらるさんに??



「ここは、、、」


「みてわかるでしょ、屋上」



そらるさんに連れてこられたのは学校の屋上だった。そしてそらるさんは言った。


「ここなら誰も来ないからゆっくり話せるわ。」



「それはどーいうこと、、」



「いつも通りじゃないよ。笑えてなかったんだからさ。俺でもわかるよ。それくらい」



「だから、きのせ「そんなわけないだろっ!!!」、、、」


「おまえはさ、、、ばかなの?」

「しにたいなんていうなよっ、、、」

「まだ死なないでくれよ!!!!」



「ぼくっ、、いつしにたいなんて、、、、」



「呟いてたんだよ。死にたいって。」

「まふまふ」


あ、気づかなかった。
でもねそらるさん。


「なんで、僕を助けようとするの?」

「こんな僕、必要なんてないんです。家では家族に認められなくて、学校でも偽りの自分じゃないと生きていけないんです。」

「なのに、、、なんで?」

「死んだっていいじゃないいですか」



「俺が生きてて欲しいから」

「もっとまふまふと話したいから。音楽やりたいから。一緒にいたいから。」

「これじゃ、だめ、、、か?」




「あなたはほんっと、バカですねっ!!!」

「泣きながら言わないでよ!ぼくもないちゃうじゃっん!」





ねぇ、そらるさん。




なに?




あの日、声掛けてくれてありがとう。




どういたしまして。




僕ねあの時ふっと思ったんです。




ん?なにを??




「僕が死にたいと思う理由より、そらるさんが生きてて欲しいって言ってくれた理由の方が多かったから。だから、まだ生きようって思いました。」


「ただそれだけです」




ねぇ、ぼくはもう笑えるようになったよ。


そらるさんのおかげで。


「ふっ、、そっか。それならいいよ」




ぼくはそらるさんとずっとずっと進んでいこうと思う。


END

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