第50話

この言葉で
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2020/12/30 10:35
この言葉で


俺は傷付けることしか‪𓂃 𓈒𓏸◌‬





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「そらるさんですよね!?」

「ぼく、まふまふって言います!」



「ま、ふまふ、、さん??」



「はいっ!」



誰かも知らない後輩が話しかけてきた。

その目はキラキラしていて希望で満ち溢れていた。



「そらるさんとお話したくて!音楽をよく聴いてるって聴いたんです!なので!!」



俺が音楽ばかりきくのには意味がある。

その理由を知ればまふまふさんはきっと俺の前から居なくなる。

1人になるのは慣れっこだけど。



「よく聴きますよ。音楽、まふまふさんも好きなんですね」



「はい!というか、そらるさんにはずっと前から会いたくて.....」

「なので僕今すごくしあわせです!」



「ありがとう、ございま、す、、」



あんな純粋で綺麗なやつは初めて見た。

俺はいつかあいつを傷つける。

離れないといけない。



「もしよければカラオケでも行きませんか...?」


「カラオケですか?」


「あっ!!ごめんなさい!今あったばかりなのに、、、」



まふまふさんはすごく笑う。

温かさで出来ている。

俺は一生あーはなれない。



「いいですよ、カラオケいきましょうか」



ほんの一度だけならいいと思った。これで、まふまふさんから離れればいいと思った。

なのにな、俺は本当にバカだった。




「ほんとですか!?ありがとうございます!」


「どこの店行きます?」


「近くに安い場所あるからそこで!」


「分かりました、案内よろしくね」



この時に断ればよかったんだ。










まふまふ、ごめんね。








×年後..........





「ん、何まふまふ、」


「ばかなんですか!?そらるさんは」


「へ、、、なにいって、、、」


実は昨日の記憶がない。

何かやらかしたのか。


「仕事のやりすぎです。そらるさんおうち帰って来た瞬間倒れたんですよ?さすがにびっくりしました。」


「うぅ、ごめん、、、」



なんだかんだあって、俺とまふまふは付き合うことになった。まふまふには俺の秘密を隠したまま。そしてそのまま一緒に住んでいる。まふまふいわく「別々に暮らしてるとそらるさんが心配」という事。



「なので、今日はお仕事休んでください。」

「職場には電話しました」


「ありがとう、、、」


「1日僕といてくださいよ。いままで寂しかったんですから.....」


時々、こうやって甘えてくるまふまふは可愛い。ほおっておけなくなる。


「ごめんな、 今日はずっと一緒だよ」


「うんっ.....」




幸せだったのに。


全部崩れる。


分かっていた。


俺が幸せになることは許されない。


普通の人間じゃないんだから。






「そらるさん、コンビニ行ってくる!欲しいものありますか?」


「おれもいくよ」


「だめですよ!!やすんで!」

「で、ほしいものは?」


「まふまふが好きなやつ」


「うぅっ、、わかりましたよ、、、!」

「それじゃ、すぐ帰ってきますね」


「うん、行ってらっしゃい」


「行ってきます」









「おそい、、、」

まふまふが出かけてだいぶ時間が経った。1時間もたっている。20分あれば行けるのになかなか帰ってこない。これはおかしい。


急いで上着を羽織って外へ出た。
















「僕の好きなプリンは、、あ!あった」


久しぶりのそらるさんのお休み。

今までこうやって休むことが無かったから一緒にいれて僕は凄く嬉しい。

僕は家で仕事してて、そらるさんは会社通いだから、そらるさんの方が疲れる。

それなら、僕ができること全部やってそらるさんを楽にしてあげる。


「帰ったら、そらるさんに何してもらお」


楽しみで仕方がない。

映画でも見ようか。

そらるさんといちゃいちゃしたいな。

ぎゅっーってして欲しいな。




『ねぇ、お姉さん。今からなんか用事あったりする?』


「え?」


だれ、?しらない。
ナンパとか?そんな感じかな、、、


「僕、男なんですよ。」

「すみません、僕人を待たせてるので行かせてもらいます。」



『ほら言ったじゃん!男だって!!』


『それなら、尚更じゃね?』


『そうだな』



「え、あの!離して貰えますか?」


四人の男の一人が僕を掴んで離さない。
そして、力が強い。


『お兄さん、俺たちとイイコトしよ?』


「はっ、、、?」


顔が一瞬であおざめた。
やられることがわかった。


「絶対にいやです、行きません。だから、離してくださいよっ!!!」


そらるさんが待ってるのに。

そらるさん、、、

そらるさんたすけて。



『うっせぇな。まじで、黙らせろ。』


そう言った瞬間、僕のお腹に1発蹴りを入れられた。


「かはっ、!!」


視界がグラグラする。まえがよく見えない。

もう、むりだ。

やだ。いやだ。



「そら、る、、さ、ん」



そこで気を失った。










目が覚めると路地裏のような場所に連れられていた。


『目、覚ましたぞ』


『それじゃ、お楽しみといきますか』



「僕に触んないで」


キッと睨め付けた。


『ははっ!そそるわ。よけいにやりたくなるよ。』


服の中にてを入れられた。


「ん、っ、!やめろ!!」


『感じてんじゃん。お前らもやったらどう?



こわい。

いやだ。

こんなやつに。




「もうっ、やめてよっ、、ひゃっ!!」



こんな声出したらだめだ。相手をよけいにやる気にさせる。もう、どうすればいいの?わかんない、、、




まふまふ






「っ、、!!!」

「そらるさんっ、!」

「たすけてっ、、、」



そらるさんのことを呼んだけど、やっぱり来ない。ぼくはこのまま、、


『はいはい、君の王子様は来ないみたいだね。抗うなよ。』

『次叫んだら殺す。』


「ひっ、!!」



あぁ、もうむりだ。



そう思ったとき。




「まふまふ、?」






「そらるさんっ、たすけて」


















「そらるさんっ、たすけて。」


まふまふはだれか知らない奴に連れ去られていた。

まふまふは泣いている。

あいつを泣かせた?


『おい、きちまったぞ。』


『このままやっちゃえば』


「は?まふまふに何しようとしてんだよ。」


『お互い、気持ちよくなろーって言うやつ』


「、、、、」




’’離れろ,,




『っ!!!』


『なんだよこれっ!?』



まふまふには見せたくなかったけど、ごめんな。俺から離れてくれていいから。




『てめっ!ころすぞっ、ー!』



’’跪け,,



まふまふは驚いている。わけが分かっていなさそう。


「まふまふ泣かせた罰だ。」

「まだまだだけどな」



’’殴りあえ,,



『悪かった!ゆるしてくれっ、、!』


『もうやらねぇっ!たすけてくれ!』



「はぁ、、お前らほんと馬鹿なんだな。」

「まふまふ、’’おいで,,」


まふまふには使わないって決めてたけど、今はしょうがないか。


「そらるさん?」


ぼろぼろとなみだボロボロと涙が溢れていく。


「怖かったです、、、!そらるさん来てくれてありがとっ、、」


「どういたしまして、さぁまふまふあとは俺に任せてね?」


「え?それはどういうこと、、、」


’’おやすみ,,



まふまふは眠りについた。


「解除、」


本当は使いたくない。

俺自身も苦しい。



’’忘れろ,,








あいつらはもう俺たちに前に現れなかった。











「まふまふ、おはよう」



「!!そらるさんっー!」

「まじで、怖かったんですよ.....」

「後、なんで荷物まとめてるんですか?」



「あぁ、、、ねぇ、まふまふ。ちょっと話聞いてよ。言い終わったら、分かるから。」



「??あ、はい、、」


ごめんな、まふまふ。

全部俺のせいなんだよ。

俺が弱いから、





「俺さ、自分が言った言葉で人や物をコントロールできるんだよ。ずっと小さい時から。」


「え、?」


驚いてもしょうがない。俺だって驚いた。こんな能力なんて要らなかった。


「ごめん、驚くよな。このまま続けてもいいか?」



「うん、!」

「大丈夫です、、、!そらるさんの話ならちゃんと僕聞きます!」



「ありがとう.....」

「あの時、見たと思うけど。目の前にある瓶を倒すから見てて」

’’倒れろ,,



カチャン


「こういう事なんだよ。」

「初めてこれを使った時はな、小学生の時だったんだ。

家に帰る時に、知らない奴に連れ去られかけててさ。その時俺、離せ、俺の前から消えろって言ったんだ。そしたら、そいつ本当に消えちゃったんだ。

訳が分からなかったよ。自分でもね。

周りをみたら、1匹の猫が道に落ちて死んでたんだ。その猫の周りには、女の子がいて、俺を睨んでて俺が離れろなんて言ったから、猫を離して猫が死んだんだ。

消えたやつは行方不明になったらしい。
怖くて怖くて逃げたよ。
俺が殺したんだ。人間と猫を。

それから何度か同じような事をやってしまって、友達もいなくなって。それから音楽を聴くようになったんだ。

一人でいるのは正直楽だったんだ。誰も傷つけなくて済むから。でも、そんな俺の前に現れたのは、まふまふだったんだ、、、」



「ぼく、?なんで、、、」



「初めて会った時のまふまふ、すごくキラキラしてたんだ。俺には眩しいぐらい。嫌われてる俺にわざわざ話しかけてきたり、不思議なやつだとは思ってた。

本当はあの初めて行ったカラオケで会うのをやめようと思った。でも、おれは、、、まふまふから離れられなかった。

離れなきゃいつかまふまふを傷つけることは分かってたのに、離れたくなかった。もう一人でいるのが嫌になった。

とにかくまふまふを傷付けないように、これを使うのもやめてたんだ。でも、この前使っちゃった、、、まふまふが傷付いてなかったとしても今後俺が不意に言ってしまったら、まふまふはきっと本気で傷付く。

いつかこの話もしなきゃいけないと思ってたんだ。そして、これを使ったらまふまふと離れようと決めてたんだ。

だから、まふまふ。荷物をまとめてたのはお別れするからなんだよ。自分勝手でごめん。でも、もうまふまふが傷付くのは嫌だから」



「っ、、、!そらるさん!!あの時のそらるさんはとてもかっこよかったです。僕にとってやっぱりあなたはヒーローなんです。
僕の心なんてひとつも傷付けてない。むしろ、助けてもらった。
そらるさんがいると僕すごく安心します。そらるさんがいないと僕はダメなんです。」

「だから、僕から離れないで」

「ずっと一緒にいてくださいよ.....」



「、、、」

「ごめん、まふまふ。」


’’俺のことを忘れて,,



「なっ、、!そらるさんっ、、!!」



「ごめんっ、、ごめん、、、もう泣かせたくないんだ、ごめん、、、」



「絶対にあなたのことは忘れませんっ、!何があってもです!!!こんなことで僕はっ、!!」


’’忘れろ,,


「そ、らる、、さ、なんで、、、」


’’眠れ,,


「また、あえますよ、、ね?」




バタッ




床に涙が落ちる。


今俺は泣いてる。


自分で決めたんだろ。


泣くなよ、まふまふはもう帰ってこない。


分かれよ、自分がしたこと。


理解しろ。ばか。




「まふまふ、、、」




まとめた荷物を持って家を出た。




「幸せになれよ、こんな俺みたいなやつとはもう付き合うなよ、、、」











さようなら、、






























「あれ、なんで僕泣いてんの?」


朝起きたら泣いていた。部屋は何故か綺麗だった。棚とかはスカスカで、なんでこんなもの買ったんだろうって感じ。


「ふたり用みたい」

「ふたり、、、」



自分の心にも穴が空いたみたい。
なぜか、何か足りない。


忘れちゃダメな人がいた気がする。



「、、、、だれだっけ。あのひと。」












あの不思議な日から何年経ったんだろう。

歌のお仕事でそこそこ稼げるようになった。


「みんな今日はありがとね〜!」


坂「いやいや全然ええで!」


浦「まふぴ、誕生日おめでとう〜!!」


キ「ほんと、大きくなって、、、」


「「「お前はおかんかっ!!!」」」


わいわいがやがや。僕の誕生日会をやってくれてる。メンバーは歌のお仕事で仲良くしてくれてる人達。


天「まふくん、いつも指輪つけてるよね〜誰から貰ったの〜??」


「それが僕にもわかんないんだよ、、気が付いたらつけてあってさ、こわいよね...w」


セ「きぃつけやぁーほんま、」


「うん、センラさんありがとう」



本当にこの指輪はいつの間にか手にはめてあったのだ。不思議で仕方ない。初めは気持ち悪かったのに、、今は、捨てては行けない何か大切なものへ変わった。


「、、、、」


坂「まふくん?どーしたん??」

「しんどいんか?」


「、、あ、大丈夫だよ、さかたん。ごめん、ごめんw」



あの日から心には穴が空いたままなんだ。部屋も何もかも。あの日から何もいじってない。

こんなにも楽しく生きているのになにか足りない。なんで?僕は何かした?



「なんでだろ、、、」


ぽろぽろ涙がこぼれ落ちる。

急に泣き出したからみんな驚いている。


浦「まふぴ!大丈夫か、、?」


セ「どっか痛いんか?」


天「急にどうしたの、、まふくん、なんか思い出しちゃった?」



「わかんないっ、、でも、なんかさみしい。何か忘れてる気がする。ずっと前からなんだ、みんなには言ってなかったんだけど、ずっとずっと心に穴が空いたままで.....」

「正直、つらいんだ、、、」




空気を重くしてしまったなと気づいた。

感情に任せて言うのはあまり良くない。

わかってたはずなのに。



「ごめんっー!!このことは忘れて!」

「それじゃ、そろそろお開きにする?みんな明日仕事あるみたいだしさ。









「ありがとうみんな、」



一応、誕生日パーティーは終わった。
楽しかった。



「まだ、紅葉赤くないね。」

「まだ、クリスマスとかそんなんでもないか」


イルミネーションとかでキラキラしてるかなと考えていたが、そんなことは無いみたいだった。もう少しすれば、みんな大好きなハロウィンがあるぐらいだ。

あと、、、



「あれ、?なんかあったっけ、、、」

「またわかんないよ」




ぼっーとしていたとき、


「うわっ、、!」


人にぶつかってしまった。


「ああ!!ごめんなさい!大丈夫です、、え、?」


目の前にいる人、初めて会うはずなのに初めてあった気がしない。


「指輪、、、お揃い、、、」



「、、、」



こんな偶然あるのだろうか?

何故かこの人を見ると心が満たされる。

あぁ、この人がきっと。



「っ、、、、’’わすれ「まって!!!」」


「ちょっとまってください、、」



透き通るような白い肌


宝石のような輝きの目


あぁ、わかった。


わかったよ、



思い出した。


なにしてたの?いっぱい聞きたい


でも今は



























「そらるさん、また会えましたね」



「ばかっ、、、お前のこと忘れようとしてもやっぱり無理だったんだ。指輪だって捨てればよかったのにっ、、、」



「ふふっ、お互い居ないとダメみたいです」



「そうだな、心に穴が空いたみたいだったよ」



「ですよね、僕もでした。」

「ねぇ、そらるさん」



「なに?」



「もう、あれつかわないで。また、そらるさんと離れ離れなんて僕嫌だよ。」



「、、、、」

’’俺を普通の人間にしてくれ,,



「あ、!そらるさん、、、いいんですか」



「うん、もういいんだ。疲れたよこれ使うの。まふまふといたいからこれは捨てるよ。」



「それじゃ、これからはずっと一緒です」



「離さねぇから覚悟しろよ」



「絶対にはなさないで」








「愛してるよ、まふまふ」



「僕もですよ」




あなたに出会うことが出来て良かった。


やっぱり忘れるなんて出来ない。


ねぇ、だいすきだよ。


僕は、、、


ぼくは、、、、




「あなたに出会えてよかった」












END





今年最後、、、ありがとうございました。


途中まで書いてて放置してたやつを書き直しました。設定とかむちゃくちゃです。また書き直したいな。

ということで、1年間ありがとうございました!!今年は結構投稿してたのではないかなと思っております。色んな人と出会えましたし、楽しかったです。このアプリ内で読むことがあまりなかった(投稿しかほとんどしてなかった)ので、来年はできるだけいいね等して下さった方の作品を読んだりしたいと思ってます。バトエンとか色々やりたいね。

また、コメントとか書いてくれたら嬉しいです◎



来年もふぃーねをよろしくお願いします。

それでは!良いお年をお迎えください!!

またあいましょう!!



ふぃーね

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