第11話

だめ?
3,084
2020/04/23 10:10
俺はダメなの?


「死んじゃダメなの?」

「もう、死にたいの。死なせてよ。」

貴方からその言葉を聞くことは無いと思っていたのに。








side.M


「そらるさーん!」

「ん?どした〜」

僕はまふまふと言います。歌い手というものをやらせて頂いてて、隣にいるのは!!
僕の相方のそらるさんです!!

「最近、疲れてるんですか?」

「目にくまが出来てますよ...?」

「え?ほんと?くまある!?」

「確かに寝不足かもねw」

そらるさんは最近、僕といると苦しそうにします。何かあるなら言って欲しいけど、その苦しそうな顔は直ぐにいつものそらるさんに戻るので、どうしても聞き出せない。

「もー!!そらるさん!ちゃんと寝てくださいね!!!」

「お前に言われたくね〜w」

「うグッ」


こうやってずっとずっとそらるさんと
楽しくお話できるんだろうと思っていた。

あの生放送がはじまるまでは。








「こんばんは!そらるです〜」


そらるさんの生放送が始まった。
ぼくは、そらるさんの生放送だけは欠かさずに見ている。曲作りの息抜きにもなるしちょうどいいのだ。


「今日は皆さんに大事なお知らせがあります。ほとんど、悪いことです。」


わるいこと、、、
なんだろう。ライブの中止?CD出せなくなった??


「俺は今日からこの活動をお休みします。」

「急にごめんね。」


え、、、?活動休止??うそ、、、
そらるさんが??

なんでなの?なんで、、、


「みんな、なんで?って思ってると思うんだけど、それは言えないんだ。でも、多分、いつか、戻ってくると思うから.....」


いつか、戻ってくる?
本当に?あれ、After the Rainどうするの?
僕一人じゃむりだよ。


「それじゃ、暫くはさよなら。」

「ありがとうございました。」


生放送が終わった瞬間、そらるさんに電話をかけた。


「もしもし!?そらるさん!!!」

「おっ、まふ。どうしたの?」

「どうしたのじゃない!!」

「活動休止って本気なんですか!?」

「あ、、、見てたんだ。」

「そらるさんっ!!ほんとに辞めるの?」

「理由、おしえてよ、、、」

「お前にも言えないや。」

「とりあえず、俺の家来てよ」

「いや、僕の家に来て」

「、、、わかった。」




そらるさんとちゃんとお話をしなきゃ。
なんで、こうなったのか。

ピンポーン

「そらるさん、いらっしゃい」

「おじゃまします.....」







「そらるさん」

「うん」


そらるさんは、ずっと俯いたままだった。
顔が見たいけど、見れない。かと言って、顔を急に持ち上げるのは可哀想な気がするから、


「なんで、こうなったんですか?」

「いえない」

「それじゃ、After the Rainどうするの。」

「AtRもしばらく休止」

「相方の僕になんで相談もしないで急に言い出したの!?」

「僕、信じられません」

「嘘じゃない」

「俺はしばらく休止」

「なんでかって聞いてるじゃんっ!!」

「こたえてよ!ねぇ、、答えて!!!」

「無理、、、だめなの。」

「もう、俺帰る。」

「あっ、、、!!まって!!そらるさん!」

「最後にひとつ、まふは俺のこと好き?」

「嫌いですっ、、大嫌いだっ!!!」

「、、、やっぱそーだよね。」

そらるさんは、涙を流しながら僕の家を出ていった。

「、、、きらい、、、え」

「嫌いじゃない。嫌いなわけないっ」

そらるさんに嫌いと言ってしまったことに今更気づいた。そんなわけない。
頭に血が上って、、、いや、、、言い訳だそんなの。言ってしまったんだ。そらるさんに。

「どうしよっ、、、」

僕はその場で泣き崩れた。



side.S

「はぁ、、、言われるとやっぱきつ」


まふまふに嫌いと言われた。あっ、大嫌いか。

全部、俺が悪い。急に休むとか言うからだ。
まふまふに相談しなかったから。

ごめんな、、、
だって、理由がまふまふなんだもん。
言えるはずないじゃん。

「俺だってな。もっと一緒にやりたかったんだよ。」




まふまふには俺よりも才能がある。
もちろん、音楽のだ。

まふまふは、人一倍努力する。だから、その分素晴らしい音楽を毎回作り出して、リスナーさんたちをまふまふの世界へ引き込んでいく。

最近、こんな俺よりももっと才能のあるやつとまふまふは、居るべきだと思うようになった。俺は、、、隣にいるべき人じゃないと。

その気持ちに追い打ちをかけたのがコメント

・まふくんは、ほかの人といるべき。
・そらるは、邪魔。
・After the Rain解散すればいい。

などなど、、、

まぁ、仕方ない。俺が悪いもん。才能なんて元々ないし。

だから、俺は歌い手をしばらくやめる。
というか、もうやりたくない。
きっとまふはほかの人とユニット組んでくれると思ってるし。
まふまふが誰かの隣で笑いながら歌うところなんて見たくないし、、、



考えすぎたのか。急に眠気に襲われたので、布団に身を任せた。


side.M

そらるさんに嫌いと言ってから1週間
全くそらるさんと会っていない。
LINEするんだけど、そらるさんは既読を付けるだけ。返信がこない。

電話もかけて見たけど、通話拒否。

「そらるさん、、、」

家に行ったらいるかな、、、



『合鍵ほしい?』

『え!ほしい!!』

『、、、あっ。やっぱあげなーい。』

『え!?なんで!!!』

『俺の家のドア。基本空いてるからw』

『なんなんですか!それ!?』

『www』



「空いてるじゃん!!!!」


急いでそらるさんの家へ向かった。




「え"!あいてない、、、」

嘘じゃん!?あいてるでしょそこは!!!

ここから電話したらいいか。
今から向かいますって言って、、実はもういるみたいな。


プルルルル

プルルルル

プルルルル

プルル

「もし、、、もし。」

「あっ!そらるさん!!」

「今からそっち、行きますね!」

「家の前いるでしょ。」

「えっ、、、そんなわけないですよぉ〜」

「俺ドアの前にいるから。」

「えぇ!?」

「残念でした。」


ツーツーツー

「あぁ、、、」

「やっちゃった、、、」

天月くんに相談すればいいかな。
うん。そうしよう。

天月くんなら、、、





「そらるさんに嫌いなんて言ったの!?」

「バカにも程がある!!!」

「うぅ、、、」

「そらるさんが休止はびっくりした。でも、、、嫌いは言い過ぎ!!そらるさん傷つくに決まってるでしょ。」

「傷つかないよ、、、」

「なんでそうおもうの?」

「僕に相談してくれなかった。僕のことなんてどうでもいいからきっと、、、」

「バカなのかほんと!?」

「そらるさんがどれだけまふくんのこと心配してるか分かってんの、、、?」

「え?しんぱい、、、??」

「三徹してた時あるでしょ。」

「そらるさんその時ね。」


「あいつ、大丈夫かな。三徹とか体調崩しちゃうよね。1回寝させようかな、、、でも、邪魔したら悪いしなぁ、、、」


「って僕に電話してたんだよ。」

「、、、」

「謝ってきなさい。」

「うん。天月くんありがとう。」

「天月くんから、そらるさんに電話していてくれる?僕のは絶対に出てくれないから。」

「わかった!他のみんなにも言っとくね!」

「うん、、、ありがとう」




プルルルル

「おはよ。天月くん」

「まふくんおはよ!!」

「じゃない!そらるさんが!そらるさんが!!」

「え?どうしたの??」



「はぁっ、、はぁ、、、」

そらるさんが電話に出なかったらしい。
センラさん。浦田さん。さかたん。志麻さん。Eveくん。Souくん。nqrse。あらきくん。めいちゃん。luzくん。
みんなでなかったらしい。

そらるさんの家へ向かった。

ドアは空いていた。
この前は空いてなかったじゃん。

そらるさんと声をかけてもそらるさんは出てこなくて。

机の上にメモがあって。そこには

[ごめん。まふまふ]

と書かれていた。


「なんで、、ごめんはこっちなのにっ、、、」

「そらるさんっ、、、」








みんなにも手伝ってもらったが、そらるさんは見つからなかった。どこなの?そらるさん、、、


「はぁ、、、」

「うぇ、、、はぁつぅ」

走りすぎて吐きそう。
でも、、そらるさんみつけなきゃ。
はやく。はやくっ、、、



side.S

今俺は、きっと誰も分からない所にいる。
知ってても、まふぐらい、、、
まぁ、ずっと前に話したことだから覚えてないと思うし。来てくれるわけないし、、、

この海、とても綺麗だ。ずっとずっと見てたい。でも、自殺にはもってこいの場所。

ここで、死んで。

それで終わり。

まふまふともさようなら。

他の歌い手のみんなともお別れ。

「ははは、、、」

「手紙書いときゃよかった。」

今更遅いか。こんな真夜中誰も見つけてはくれない。

飛び降りようとしたとき

なんで、、、

なんでなの、、、、


「そらるさんっ、、、!!」
















なんで、俺を見つけてくれるの?

side.M

「そらるさんっ、、、!! 」

「な、っなんで?」

僕を見たそらるさんは驚いていた。
なんでなんでってずっと言っている。
そらるさん、僕がここを忘れるわけないのに。

「そらるさん、こっちに来て」

「いやだ」

「おねがいします。」

「いや、、、」

「そらるさ「やめてっ!!」え」




「死んじゃダメなの?」

「もう、死にたいの。死なせてよ。」


死にたい。そらるさんが。

そらるさん、、、、、しにたい、、、、、、!?!!!

「死んじゃダメ。」

「なんでなんだよっ!!お前、俺の事きらいなんだろ!!ほっとけばいいじゃん。俺の事なんて。嫌いなら、ここまで、来るなよッ、、、、」







『そらるさんっ、、』

『あ。とりあえず大丈夫?』

『はい、、、』

『そっかぁー。、よかったw』

『めちゃくちゃ怖かったわwww』

『なんで、なんですか』

『助けてくれたんですか。』

『おれが、助けようと思った。それだけ。』

『??それだけ、、、』

『うん!』

『みんな、僕のこと嫌うのに。』

『俺は、嫌いじゃないよ。まふまふの事。』

『いいやつじゃん。こんなにいいやつを虐めるなんて酷いと思うよ。』


そらるさんは虐められていた僕を
嫌いじゃない。ただ、助けたかった。

嬉しかった。僕のことをそんな風に思ってくれている人がいて。











「そらるさん!!」

「僕、嫌いなんかじゃないです」

「嘘つかなくていいよ。」

「うそじゃない」

「、、、」

「だいすきです」

「、、、いや」

「俺、そらるさんの作る曲大好きです。」

「やめてっ」

「一生懸命な時も笑顔の時も、、、」

「おねがいっ、、、」

「そらるさんの全部が好きですよ。」

「やめてよっ!!!思ってもいないのに!!期待しちゃうじゃんっ、、、!」

「えぇ!?嘘じゃないですよ!!」

「おねがいっ、、、!!こっちきて?」

「そらるさん!!!!」


side.S

「俺なんか、ほっといてくれよ」

おねがい

「いやです。ほっておけません。」


「お前はお前みたいに才能のあるやつとユニット組むべきだよ」

やめて

「僕はそらるさんじゃないとダメです。」


「優しくしないでよっ、、、」

「おねがいっ、、、やめて、、」



「あっ、そらるさ」

「こっちこないで!!!」

「飛び降りるぞ!?」

「え!?それはいやですね、、、」

あれ、もしかしてこのまま飛び降りればよくない?そしたら、、、
確実に、、、、!まふだってたすけられない。

「こっちくんなよ」

「いきませんよ」

「死のうとしたら許しませんから」

「もう、死のうとしてるんですけど」

「あはは、、、そうでしたね、、、」










「ばいばい」

「え!そらるさ!!!!」



俺は身を投げ出した、、、つもりだった


side.M

「え。なんで」

「離しませんから。絶対に。」

そらるさんが身を投げ出した。と
その瞬間、僕は反射的にそらるさんの手を掴んだ。

「だめです、、、」

「死なせてよっ!!!!」

「だめ、、、」

「離せ!!」

「嫌だって言ってるでしょ!?」

「、、、」

「よいしょっ、、、!!!」


そらるさんが落ちないように少しずつ崖から遠ざけるようにそらるさんを引っ張っていった。いつ落ちようとするかわかんないし。


「あなたをどれだけ必要としてるか分かってるんですか、、、」

「僕はあなたがいないと成り立たないのに」

「あなたがいるから、笑えるのに」



ぼくは、そらるさんを強く抱き締めた。
きっと僕の顔はぐっちゃぐちゃ。





「ごめんっ、、、」

「おれのせいだね、、、」

「もう、しのうとしないから」

「ごめんね、、、」

死ぬのやめてくれた、、、
よかった。

そらるさんの肩はとても震えていた。
泣くのを我慢しているみたいだ。
そらるさん、何でも我慢するから、、、


「そらるさん?」

「僕は、そらるさんの事大好きですよ」

「ふぇ?」

なに?ふぇ??かわいい、、、

「さっきも言ったでしょ。好きだって。」

「きらいになんてなれません。」

「ほんと、、?おれのことっ、きらいじゃな、い?」

「うん」

「いっしょにあふたーざれいんやってくれる?」

「もちろんです」

「ありがと、、、」

「泣いてもいいですよ。そらるさん」










「うっ、、まふぅっ!ざみしかっ、、た!」

「ひとりにしないでっ、!おねがいっ。すてないでっ、、!!」

「わかりました。」

「絶対に1人にさせません。」

「まふっ、、まふまふっ」



彼が何度も僕の名前を呼ぶものだから

大丈夫です。僕はここにいますよ。
ってずっと言っていた。

「そらるさん?」

「な、、にっ、?」

ちゅっ

「え、、、、、」

「え!?ちょ!はぁ!?!!//////////」

「かわいい」

「だまれ」

顔真っ赤なのにwそらるさんかわいい。

「付き合ってください!!」

「そらるさん!!」

その時のそらるさんは

「はいっ、、、!」

そらるさんの笑顔が










とても綺麗だった。


天「あっ!まふくん!?」

「あ、、、!天月くーん!そらるさんいたよ!!」

「いや、、その!」

「あ!みんないるじゃんwさかたーん!うらさんまで〜。」

浦「あんたらさっきからなにイチャついてんだよ。」

「え?そんなイチャついてないですよ〜w」

「ね?そらるさん!!」

「カァ//////////」

「え!?なんで!!!」

坂「そらるさん顔真っ赤やん!!大丈夫?」

セ「さかた、、、おまえなぁ、、、」

志「鈍感すぎるぞ、、、」

S「よかった、、、!見つかって!!」

E「ほんと、よかったね〜」

浦「この2人もかっ!!」

「そらるさーん」

「ごめんなさい!!許してください!!」

「ぃや、、」

n「そらそうやろw」

坂「というか、そらるさんめちゃくちゃ痩せたやん!!」

浦「ほんとだ、、、」

天「食べてなかったんですか??」

「ぅん、、、まふに嫌われたと思ったらご飯が喉に通らなくて、、、」

天「まふくん!!!」

「いや!もう、大丈夫。あんま、まふ怒んないであげて、、、」

そらまふ以外「わかりました」

「ぼくのせい、、、ぼくの、、、」

坂「まふくんこわれかけてまーす!」

浦、志、セ「元々、壊れてるわw」

E「焼肉、、、」

S「焼肉いこう!!まふくんの奢りで!!!」

「え!おれもいきたい、、、」

天「ほらまふくん!そらるさん行きたいって!!」

「わかりました、、、そらるさん、それで機嫌直してくれるんですか!?」

「うん、、、!いや、、無理かもしれない」

「ほんと、なんでなんですか!?」

そらまふ以外「恋人みたいだな、、、」

「「え?」」

「まふに告られたの見てないの?」

坂「え!?なにそれ!!!」

志「まふくんがそらるさんに抱きついてるの見て、イチャついてんなーと思っただけなんだけど、、、」

「そらるさんwwwwやっちゃいましたね!」

「もういや、、、まふきらい、、、」

「飛びおりますよーそんなこと言ったらw」

「おれが、まふ離さないもん。」

「あ、、、」

「え!?どうしたのまふ!!」

「なんでもないです!!!!!」


そらまふ以外「本当に何なんだ?」




その後、僕はみんなと焼肉に行き

金額の全てをお支払いしました、、、











おまけ

焼肉終わった。



「まふ?」

「はぁい?なんですかぁぁ?」

「酔ってるの?」

「よってまへんよ〜」

「だめだよってる、、、」

「そらるさーん」

「すきです。あいしてます、、、!」

「おれもあいしてるよ。」

「やった!!言ってもらえた!!!」

「酔ってるんじゃないの!?」

「酔ってるわけないじゃん」

「そらるさん可愛いので今から布団連れてきます。」

「布団?なんで??」

「はぁ!?かわいい、、、かわいい、、、」

「??」

「うわっ!!やめてよ!!」

「お姫様抱っこいや?」

「、、、、嫌じゃない、、、」

「正直に言えて偉いですね」




ドサッ

そらるさんを布団の上におろした。

「さて、そらるさん」

「え?まふ、、、ちゃんと考えて!!」

「俺男だからね!?男だから!!!」

そらるさんもやっと意味が分かったみたい。
でも

「男同士で何がダメなの??」

「え!!なんでって、、、、」

「そらるさんをめちゃくちゃにして何が悪いんですか??」



このあとは、皆さんのご想像にお任せします。

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