第9話

第8話
35
2018/08/24 08:42
みんなが帰ってきた

それから月曜日の事が頭から離れないまま、今日一日が過ぎていた
〜月曜日〜

男の子の家に行く事自体初めてだった


「おじゃましまーす」
恐る恐る家に入った

部屋はたくさんの絵で埋まっていた

どの絵も独創的な絵だった


私はハルが絵を描いてる姿を見るのは初めてだった

それなのになんだかそれをみているのが楽しかった

いつまでも見ていたいと思った


「麗、何もないけど、ここ座って」
「ありがと、ハルくん」

「ハルくんはここに1人で住んでるの?」
「そうだよ、親は離婚して、それぞれ新しい家族がいるからね.....」

「そうなんだ...」
「なんかごめんね、気分悪くさせちゃって」
「ううん、大丈夫、もう慣れたから」



「それにしてもハルくんは絵が好きなんだねぇ」
「えっ?あ、そうだな」

「私、ハルくんの絵描いてるとこ好きだなぁ」
「えっ、そう?」

「麗は絵、いつ描いてるの?」
「私はもう描いてないの...」

「でも本当は描きたいんだろ?」
「そうだけど...」


「それじゃ、夏休みの間、ここで描いてみない?」
「えっ!?いいの?」

「あぁ、俺のためでもあるからな...」
「ふーん」
気になったが聞き流した


それから私たちの秘密の夏休みが始まった


始まりと同時に終わりに近づいている事に麗はまだ気付いていなかった...

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