~あなたside~
私は月島(ツキシマ)あなた
代々受け継がれている月島組の4代目の娘
すなわち、5代目になる予定だ
私はこれっぽっちも5代目なんかになりたいとは思わねえけど
母とはガキの頃死別し、それからはおばあちゃん家で暮らしてたけど…
つい先日おばあちゃんも亡くなってしまった
行き場の無くなった私が唯一頼れるのはヤクザの父しか居ない
別に父の事は嫌いじゃないけど…あの男共と生活するのは正直酷しか無い
だって私はまだピッチピチの女子高生だもん♡←
オエッ…自分で言ってて気持ち悪くなった
そして、その父も歳のせいか身体がだいぶ弱ってきてるらしい
要するに、父の代わりに頭になれとか...
うん、面倒い笑
ま、とりま今日父の屋敷に引っ越してきてこれから通う高校の下見をして…
そしたら、5人の不良にやられてる男子を見つけた
別に見て見ぬふりしても良かったんだけど…私って情に厚いから助けてやった訳よ
そんなこんなで月島組に着きました
舎弟共「お帰りなさいませ、お嬢!!」
私が帰宅しただけなのに何故か整列して頭を下げる男共
なんか慣れないし…嫌なんだけど
コイツは菊池風磨
私の弟分みたいなモン。タメだけど
まあ、良い奴だよ?変態だけど
ね?変態でしょ?←
仕方ねえな...頑張りますかチョコのために←
お風呂場に向かってるんだけど…何故か変態が着いてくる
そして洗面所で服を脱ぎ背中をさらけ出してるんだけど…
なんで年頃の娘が同じ年頃の男に見せなきゃなんねえんだよ
前は隠してるけど
背中に風磨の視線が突き刺さる
こんなん見てどこがいいんだか
私の背中には赤い薔薇とそこから飛び立つ蝶の刺青が彫ってある
女子高生なのに刺青?って思うかもしんねえけど、これは死んだママの形見みたいなモンだから
死んだママにも同じ刺青があった
私はママが大好きだった。だから同じ様に彫ってもらったんだ
長々となったけど、これが私の本性
でも私は本性を隠していかなければならない
学校に通う間だけは
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。