~あなたside~
女帝…じゃなかった、健人のお母様に私がヤクザなのを打ち明けてしまった
別れろと言われる覚悟をしていたが…返ってきたのは予想と違う言葉だった
アイツら…一体なにしたんだよ
健人の絡まれ癖ってお母様の血を引いたのかな笑
まあ、帰ったらアイツらのこと褒めてやろうじゃねえか
…忘れてたああああ!!そうだよ!一緒にご飯作るんだった!!
____
ママに仕込んでもらっといて良かった!!
昨日健人のために仕込んでもらっといて良かったって言ったけど、今、この時のために仕込んでもらっといて良かったわ!!
でもさ…女帝…ぁ、健人のお母様の視線が痛え…
包丁持つ手が震えるんだけど…
はぁ…やっと女帝…ぁ、健人のお母様の監視が終わった
ん?待てよ…味付けも盛り付けも私がやるの!?
まさかそこまでちゃんと出来るか見るのが狙いか!?
ぁ、ちなみにカルボナーラ作ってます
やっと起きてきた健人
でも悪ぃが今は構ってる暇はねえ
こちとら一世一代の大勝負してんだよ
この味付けが命取りとなる…
集中しろ私…
こうしてちゃんと綺麗に盛り付けもして私の渾身の一品が完成した
味見もちゃんとしたし…後は女帝…ぁ、健人のお母様の反応次第だ
あーやべ…この緊張感から抜け出してえ…
私はパスタを口に運ぶ女帝…じゃなくて、健人のお母様をじっと見つめた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!