部屋でみんなといる時、
急に、電気が消えた。
先生たちは、そう言った。
自分の安全よりも、
乃々華のことが、頭から離れなかった。
ずーっと、独り言を言いながら風呂場まで来た。
今出せる精一杯の声で、
好きな人の名前を呼んだ。
正直くるしかった。
何回か呼んだら、乃々華の声が聞こえた。
少し震えてるようにも聞こえた。
なんとか俺がいるところまで来させて、
目瞑ってるからって言ったら、乃々華は服を着た。
正直、こんな状況で耐えて、我慢してる自分を褒めたい。
だって、好きな人が、目の前で…
あかん。
でも、龍友くんなら、何かしてたかもな、
乃々華が、龍友くんに告うって言った。
頑張れって言うことしかできなかった。
乃々華のことが、
好きだから、
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!