ピピピ ピピピ
目覚まし時計が鳴った。
時計に目を向ける。
8:02だった。
朝礼が始まるのは8:20分。
バタバタ
バタンッ
🚪
二本目の角を右に曲がった
その時、前に同じ制服を着て、走っている人がいた。
後ろを振り返った。
《教室》
キーンコーンカーンコーン
あなたの下の名前に近寄る出久
あなたの下の名前は出久の頭をなで始めた。
勝己たちは忘れていた。
こんなゆるゆる話をしている場合ではないことをこの後、思い知らされることになるのだ。
キーンコーンカーンコーン
(授業終わりのチャイム)
《休み時間》
教室には絶望感が漂っていた。
あなたの下の名前は学年5位以内にも入る、スーパー賢い生徒の一人。
相手に勉強を教えることは息を吐くことと同じくらい朝飯前なのだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!