第26話

22話
5,342
2019/12/23 10:46
七瀬side







しえる『なんで合コンに来たん?』



強い力で腕を掴まれ、壁に押される

鋭い視線の瞳に俺が映っている









怖い



しえる『なんで?』



なんでって…………


しえるくんを忘れるためなんて、

本当の理由、言えるわけないじゃん


『か、彼女が欲しかったから…………』

しえる『本当に?』


少し、鋭い視線が弱まり、

泣きたそうな視線を俺に向けた


ちがう

泣かせたいんじゃない


『う、嘘つかない……から、』


ちがう


『そもそも……し、しえるくんに関係ないでしょ……』


ちがう


『しえるくんだってその為に来たんでしょ』


ちがう

こんな事を言いたいんじゃない


しえる『……ごめん、俺に関係なんか、ないもんな……』


謝らないで


しえる『手、痛かったよな……ごめんな』


なんで悲しそうな顔をするの


しえる『じゃ、戻るな……』


なんで、







なんで


こうなってしまうの


叶わぬ恋を捨てに来たのに

なんで







こんなに俺はしえるくんが好きなんだ?


忘れられない

忘れたくない

忘れてはいけない


捨ててはいけない





しえるくんの事が大好きすぎて、自分が



怖い




『……………………っ!


待って!』


しえる『………………。』


しえるくんは、立ち止まった






怖い


足が、


手が


身体全体が震える



『……行か、ない、で……』


震えた声で言う


上手く声に出せない

伝えたいのに

言えない




『…………き……』


しえる『……………え……』




『……す、き、です…………』


やばい、苦しくて

泣きそうだ



『……好き…………




だから…………い、一緒に……生きて……ください』


途切れ途切れに話す

息があがる


胸が張り裂けそうだ



『大好きです



しえるくん……』



しえる『…………す、好き?』


しえるくんは涙をこぼす




嫌だったよね


『ごめん、忘れt『なーくん!』』


ギュ


しえるくんが俺を抱きしめる


『しえるくん?』


しえる『俺も…………俺も好きやで』


好き?



『嘘だ……』

しえる『本当だよ』


嘘だよ

そんなの



だったら、俺の今まではなんだったの


苦しくて、

忘れたくて


頑張ってた俺はなんだったの?



『う、嘘って言って……よ…………グス……』

なんで、涙が?



しえる『嘘じゃない、



なーくんが、辛い思いしてたの知ってたけど、助けれなかった

嫌われるのが怖くて、離れていくのが嫌で…………』



俺と同じだったんだ


しえるくんも苦しんでたんだ


なんで俺は1人で抱えこんでたんだ







『…………好きぃ…………大好き……グス……』

俺はその場に座り込んだ

しえるくんは、そんな俺を抱き上げて、強く抱きしめた


しえる『………愛してる、なーくん』





















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