第35話

29話
5,294
2019/12/28 06:08
誅side







『溜雨くんが好きです……』







う〜ん……違うなぁ

『……好きになりました!』



これも、なんか違う







空いた窓から風が吹き込む図書室

電気もついていなく、窓から、沈む夕日がさし込む



そんな中、一人、溜雨くんが来る前に告白練習をしている




どのように好きを伝えたらいいのだろう


僕の頭の中はそれしかない


本やインターネットで調べてみたが、

僕に似合う台詞は見つからない





ガラガラ



溜雨『お待たせしました……』

静かな図書室に扉を開く音が響く


『……き、来てくれて……ありがとう……』


溜雨くんの前に立ち

下を向く



『る、溜雨くん!!あのね……』

溜雨『待って……』



好きだと伝える前に

入る溜雨くんの声


溜雨『……覚えてますか……この場所でころちゃんと、出会ったことを……』


『忘れるわけないじゃん……』


溜雨『そして、僕が告白したことも……』

『覚えてる……』



そう言うと、安心したように

優しく微笑み


溜雨『ころちゃんは、今まで友達としてしか見てなかったかもしれないけど……』

話の途中で、


ポンッ




僕の頭に手をのせて

少し撫でて

手はそのまま



溜雨『ずっと……大好きです……』


向日葵みたいな優しい綺麗な笑顔は

ボクの水色の目に輝いてうつる



溜雨くんの目には、僕がうつっている






『僕も……』

溜雨『………………』



『だ、大好き……です……/////』


顔は、溜雨くんに向けたまま

赤い顔も隠さずに言う


赤いのが見られてもいい

それだけ、真剣に好きだと知ってもらいたい



溜雨『よく言えましたね……』


溜雨くんは、僕が好きだと分かっていたように

僕の頭を撫でて、

僕を褒める



『好きだって…………知ってたの……?』

溜雨『ころちゃんは、分かりやすいんですよ』


『……バカ……/////』




溜雨『そういうところも全て




大好きです……』








半分沈んで輝く夕日に照らされ

溜雨くんの髪が黄金の色に輝き、


綺麗に夕日に染まった僕達は





キスをした









溜雨『……付き合って……くれますか?』








『……はい』






風の音が響く、静かな図書室



君と出会ったこの場所で





僕達の恋は実る







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mano
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