第62話

46話
4,157
2020/02/01 14:29
七瀬side





『暗いね……』


俺たちは、全員で、肝試しのスタート地点ともいえる、

森の中にやってきた。


男『七瀬、もしかして怖いの?』


『な、なわけない!』

男『だよなぁ‪w』


しえる『…………。』




2人ずつ順番に森の中に入っていく

俺の番までもうすぐだ。


佐々木『怖いねぇ……』

『だ、大丈夫だよ』


俺は、見えないように震える右手を隠す。


俺より2つ前ぐらいにはしえるくんが山崎さんと行っている。

多分、もうゴールしているだろう。


そして、遂に俺の番が来た。


『さ、行こっか……!』

佐々木『……うん!』



俺たちは、足を森に向けて歩き出した。



ヒューーーーーー



風が吹き、木々が揺れる、

いちよう、道にはなっているが、

先の見えない真っ暗な道。


足も、でも震えている俺は、

涙が滲み出てきそうだ。



「わおぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉんん」


森中に響く鳴き声


佐々木『きゃぁぁぁぁぁああ!!!』

『……っ……ビク』


しゃがみこんだ佐々木さん


佐々木『怖いよぉ…』

遂に、泣き出してしまった。


このままだと、泣き止むまでこのまま止まってしまうことになる。

それに、寒くなってきたし、心配だ。



『だ、大丈夫だから……ね!……進もう…!』

俺は、佐々木さんに語りかけた。


その時だった。




ポツ


ポツ



雨が降り出した。


『雨だ…!』

佐々木『どうしよう……』


更に戸惑い、涙が出てくる佐々木さん。


『とにかく、走ろう……!』


俺は、佐々木さんに、呼びかけた。

そして、暗い道を高速で走って行く。



ザァーーーーーーーーー





土砂降りになった、雨。

雨で前は見えず、暗いから前が良く見えない。


道かどうかも分からない方向に進んでいく








ズキッ






『い゛たっ…………』


俺は、しゃがみこむ。

気づけば、足は、何ヶ所も草で切れていて、血が流れている。



佐々木『七瀬くん……!』


歩けないほどの痛み。


『もうすぐゴールだから、先……行ってて……』

佐々木『でも……』


『後で……すぐ行くから……』

佐々木『わ、分かった……』


佐々木さんは、心配そうに俺を見ながら走って去って行った。



一人残された暗い森の中。



寒さは増していき、震えも止まらない。


痛みの感覚も分からなくなってきて、




俺は、そこで、意識を失った。


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mano
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