第20話

16話
5,423
2019/12/10 08:53
七瀬side





『ごめん』







そう、しえるくんに言った俺。



言った後、しえるくんは、俺を掴んだ手をゆるめた


俺はしえるくんの横を通り抜けて教室に向かい、授業を受けた




しえるくんは、その10分後ぐらいに「遅れました」と一言、言って俺の隣に座った




こんなにも近くにいて、手を伸ばせば届く距離なのに、俺はその勇気もなかった







「キーンコーンカーンコーン」



先生『これで授業を終わる。学級長の2人はこの資料、机まで運んで』



学級長は




俺としえるくんだ


俺は、しえるくんの肩を叩き


『しえるくん………運びに行くよ……』


と、目を見て言った


しえる『あぁ、うん』



あれ?意外と普通だな……

しえるくんと俺は、その後も何もなかったかのようにしばらくを過ごした




これで良かったのかな








そう、思っていたのは少しの間だけ



それは、2週間後の事だった



男『なぁ、合コン行かねぇ?』


俺は次の授業の予習をしていた

その声は隣の席のしえるくんにあてられた声だった


男『俺行くー!』

男『しえるも行かね?しえるが来たらめっちゃ可愛い女の子来るねんて!』


しえる『えぇ…………』


行かないでほしい。


そう、言葉には出さず心の中で思う





男『あ、そうだ!』


1人の男子が言う





男『七瀬も行かね?』



『はぁ!?』


俺にも来た…………




でも、この際行った方がいいのかもしれない

この恋を引きずるぐらいなら新しい恋を見つけた方が楽だろう


俺はしばらく黙り、考えて言った



『俺、行くわ』



しえるくんと周りの男達が目を丸くして俺を見る







男『まじ!やったー!』

男『確かに七瀬がいた方が女沢山来るしな‪w』



これで良かったんだ





その時だった



しえる『俺も行く』


しえるくんが立ち上がり男達にそう言う

俺はビックリしてしえるくんを見つめる





しえるくん行くんだ…………



きっと沢山の綺麗な女の人達がしえるくんに集まるだろう


俺はそれを見て耐えられるだろうか



男『イケメン2人とか最高!』

男『沢山の女の子くるぜ!』








俺のこの気持ちは本当に恋なのだろうか

恋であってほしくない






その方が楽だ

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mano
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