前の話
一覧へ
すれ違いの多い家庭だった 。
父母共に忙しく , 会話などほとんどなかった 。
授業参観なんて来てもらったことは無い 。
運動会も , 合唱コンクールも …
いつしか私は ,
誰かに見つけてもらうことを辞めていた 。
〖 高校1年生 / 春 〗
今日から自分の通うことになっている高校を見上げ , そう呟く 。
都立神山高校全日制 。
ここを受験をし , 無事合格した私は , 入学式当日制服を着て門の前に立っていた 。
ここを選んだ理由はこれと言って無く , ただ近かっただけという最悪な決定手段の下 挑んだ受験だった 。
元々進路担当にはそれほど心配ないと言われていたし , 合格通知を貰った時も ああ 合格したんだな という気持ちだった 。
先日発表されたクラス分けの情報を元に , 私は教室を探そうと思い歩き出す 。
このクラス分けが , 後に大きく運命を動かすとも知らずに 。
名前 ⤿ 二兎 あなた
東雲彰人の隣の席
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。