あなたside
会いたくなかった。
だって会ったら、もっと好きになってもて
離れたくなくなる。
もう、迷惑かけたくないのに…。
ゆずるさんの前で泣きたくないのに、涙が止まらない。
なんでっ、ゆずるさんには私なんかよりお似合いの人はいっぱいおったやん。
マンゲキに入りたての頃の彼女とか、いっぱいおったやんっ。
好きやから…?
…理由になってへんけど。
この人は、なんでこんなにもうちの心がわかるんやっ……。
そう言って、ゆずるさんの方を向いて抱きつく。
「好きです。」
そう言おうと、少し上のゆずるさんの方を向くと、
唇を塞がれた。
どんどん深くなる。
息が苦しくなると、それに気づいたのかゆずるさんは離れた。
ゆずるさんは照れたのか、そっぽを向いた。
少しして、こっちを向く。
答えは、もちろん…
ゆずるさんとのことで、これから何か言われるかもしれない。
けど、
ゆずるさんとなら、大丈夫。
きっと。
完
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。