うわぁ💦遅刻しちゃう..
"行ってきます"と家を出て駅までの並木道
いつもの通学路を全力疾走
なんとかいつもの時間 ホームには着いたけれど
遅延していたのか 混雑していた
ピピピという発車のベルの音
人と人をかき分けて
なんとか近くのドアから乗り込んだ
ドアと人に挟まれ窮屈な車内
ドアに顔がくっつきそうなほど
ぎゅうぎゅう詰めだった
苦しいよぉ.. 早く着いて...
そう思っていた時だった
!!!!!!!!!
背後に何かが動く違和感...
大きく電車が揺れた次の瞬間
お尻にあたる生ぬるい感触
え...やだ、💦 痴漢..?
混んでいて身動きもとれないし
怖くて声もでなかった..
確実にサワサワと当たる誰かの手
どうしよう..気持ち悪い..💦
もうすぐ降りる駅だし..
このまま耐えるしか...
そう思ってギュッと目を瞑った
「なぁ、おっさん。それって犯罪なのしってる?
そんなことしたら家族が悲しむと思うけど?」
背後から聞こえてきた男性の低い声
と同時に離れた手
!!!!助けてくれた、、の?
その人の顔が見たかったけど
やっぱり身動きがとれない..
その瞬間 ホームに着いていた電車
開いたドアから投げ出されそうになった
どんどん降りてくる人達に紛れて
伸びてきた腕 その腕があたしを掴んで
転びそうなのを助けてくれた
「気をつけてね」
!!!!!さっきの人の声..
お礼..言わなくちゃ..
そう思って顔をあげるとーー
もうその彼は後ろを向いて歩き出していて
沢山の人の中見えなくなってしまった
お礼言えなかった..
顔も見れなかったし..
唯一わかったことは
"同じ制服"ってことだけ
せめて
「ありがとう」って伝えたかったなぁ..
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。