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第1話

始まりの朝
834
2020/04/07 22:44
うわぁ💦遅刻しちゃう..
"行ってきます"と家を出て駅までの並木道
いつもの通学路を全力疾走
なんとかいつもの時間 ホームには着いたけれど
遅延していたのか 混雑していた

ピピピという発車のベルの音
人と人をかき分けて
なんとか近くのドアから乗り込んだ

ドアと人に挟まれ窮屈な車内
ドアに顔がくっつきそうなほど
ぎゅうぎゅう詰めだった

苦しいよぉ.. 早く着いて...

そう思っていた時だった

!!!!!!!!!
背後に何かが動く違和感...
大きく電車が揺れた次の瞬間
お尻にあたる生ぬるい感触

え...やだ、💦 痴漢..?

混んでいて身動きもとれないし
怖くて声もでなかった..
確実にサワサワと当たる誰かの手

どうしよう..気持ち悪い..💦
もうすぐ降りる駅だし..
このまま耐えるしか...

そう思ってギュッと目を瞑った


「なぁ、おっさん。それって犯罪なのしってる?
そんなことしたら家族が悲しむと思うけど?」


背後から聞こえてきた男性の低い声
と同時に離れた手

!!!!助けてくれた、、の?

その人の顔が見たかったけど
やっぱり身動きがとれない..
その瞬間 ホームに着いていた電車
開いたドアから投げ出されそうになった

(なまえ)
あなた
きゃっ💦
どんどん降りてくる人達に紛れて
伸びてきた腕 その腕があたしを掴んで
転びそうなのを助けてくれた

「気をつけてね」

!!!!!さっきの人の声..
お礼..言わなくちゃ..

そう思って顔をあげるとーー
もうその彼は後ろを向いて歩き出していて
沢山の人の中見えなくなってしまった

お礼言えなかった..
顔も見れなかったし..

唯一わかったことは
"同じ制服"ってことだけ

せめて
「ありがとう」って伝えたかったなぁ..

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