「いっ……いらっしゃいませ…」
『はぁぁぁ……なきっと可愛い…』
「そのあだ名で呼ぶなよ…」
兎のカチューシャで接待している文化祭。
来てくれる人達は可愛いっていうんだが、可愛いのか…??
俺は元不良だ。それは皆知ってる。俺のこと怖くて近づいてくれないかも…と思っていたが、
『ははっ似合ってるぞ〜!』
『写真撮ってもいい?可愛いすぎてっ』
こんな感じで皆優しくしてくれる。
優しく…というか笑ってるけどな。
文化祭、カチューシャを付けて接客なんてどうなるかと思ったが、なんとかやれている。
秋季はモテるから、ケーキをお客さんに届ける姿を見て幸せそうに見惚れている女子もいる。
可愛いらしいメイド服を来て接客する雛と天毬を見て呟く。
『ねぇ〜!!秋季も春兎もちょっと来て!』
1人の女子が手招きをする。
『2人可愛いすぎるから、2人の姿写真撮っていい?春兎のはさっきとったけど』
『ほんと!?じゃあ2人共よってよって!!』
写真を撮ると言われ、秋季に手を引っ張られ、抱き寄せられる体制になってしまう。
パシャッ
『残念でした〜!奇跡の体制撮らせていただきました!』
避けようとしたが、すぐに撮られてしまった。
『おっけ〜』
ドキッ
ドキッ?
最近何故か秋季といるとドキッっとなるのだ。
その原因は分からない。なんでなんだ?
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文化祭、目の前には兎のカチューシャをして接客している春兎の姿。
さっきとった写真の大切、勃ちそうだったんだぞ?体制崩したからって俺の首元に顔埋めてるんだぞ?
っあぁもう!
早くこの気持ち伝えたいのに、なんで伝えられないんだよ。
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『では皆さん!!文化祭お疲れ様でした〜!!』
サークルの人の声で終わる。
ハロウィンの日、秋季に抱かれるのを春兎はまだ知らない。
1ヶ月投稿!
お久しぶりです。やっとこの子達も動き出します。ゆっくり見てくださと嬉しいです。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!