センラside
ピョン戻りやってみたけど全然俺が思い出せなくて良い手がかりは見つからなかった。
でもまーしぃはちゃんとやってくれて、俺以上に心配してるみたいだった。
まーしぃが少しだけ進んで、笑顔で振り返る。
満面の笑みで話す彼に、俺の胸が高鳴った。
なんだ...この気持ち...渉の時とはまた違う...
自分の欲を満たすためだけに付き合った渉とやってる時だって、こんな胸の高鳴りはなかった。
どうして...彼に...
まーしぃがキョトンとした顔で首を傾げる。
俺...好きなんだ。彼のこと。まーしぃのこと。
いや、そんなわけないか...あったばっかだぞ?でも...
俺の目に微笑んでる彼が映る。
やっぱ...好きなんやな...彼のこと。まーしぃのこと。
でも俺には分かっとる。彼の瞳に俺が映ってないことくらい、分かってる。
それでも良いから、その優しい笑顔を俺に...俺だけに...向けていてくれ。
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センラさんが志麻さんに恋してるって気づくのは良いんですけど...
展開早すぎて申し訳ないです。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!