「タイプなんか考えたことなかったなぁ」
そう言ってソファーの背もたれに体重をかけたあなた
「大はさ、」
俺の名前を大と呼ぶんはきっとあなたしか居らんやろし
それだけでも好きやなぁって思てしまう俺は
タイプなんてどうでもええくらいあなたが好きなんやろな
「なぁ、それってさ
私が大のタイプやったら
大は私の事好きになってへんかったんやろか?」
『そんなことを知らんわ』
「適当やな、」
『とにかく、俺はあなただけやし』
「ふっ笑、なんか大が言うと変やな」
俺の顔を見ながらゲラゲラと笑うあなた
あーもぉ、うっさいな
そのうるさい口塞いだるわ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!