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2021/04/02

第20話

俺だけ ~重岡~



重岡side





「大毅ってさ、いっつも報われへんよな」





外を歩いとる最中、


唐突にこんなことを言い出したんは


俺の事を大毅と呼ぶ、数少ない1人で




『はぁ?なんやねん急に』


「いやさ、こん前大毅ん家行った時

ちょっと出てくるわー言うて

せっかく彼女が来とんのに出て行ったやん」




少し、いやだいぶ嫌味ったらしくそう言った



「んで、そん間暇やったで映画のDVD漁っとったら


溺れるナイフ見つけてさ、久々に見よかなって思て」




見始めたらさ、


そう言いながら笑っとる





『なんやねん、』


「いや、大毅ってフラれる役多いなって」


『なんで笑ってんねん』


「やってさ、大友も加賀も報われへんし、

野中はうまく行っとったんに自分から捨てに行くし笑

太陽に関しては、マジでウブすぎておもろかったわ笑」




仮にも彼氏が出とる作品を見て


こんな感想言うやつ居らへんで、




「まぁ、でも

演技は上手いんやろな、

野中マジでクズに見えたもん」


『なんやねん、最後の一言余計やし、

俺と野中違うから』


「そんなん分かっとるわ、

あんなクズやったら絶対付き合わへんし」




コイツは気づいとるんやろか、


ワザと急にこんなこと言うてるならずるいわ





なんかいっつもそうやねんな、




なんちゅうか、


手の上で転がされてる感?


あれ?踊らされてるやっけ




まぁ、とにかく


いいように遊ばれてる気がするわ



普段は二人で歩いとっても手なんか繋がへんのに


急に手握ってきたり


俺の出た番組の話とかせーへんのに


急に「あれ面白かった」って言うてくるし


会えへん言うてたのに急に家押しかけてきて


俺の好きなもん作ってくれたり




俺ばっか振り回されとる気するわ




「大毅?急に黙り込んでどしたん?」


『いや、別に』


「嘘や」


『嘘ちゃうて』


「大毅ってさ、嘘ヘタやよね」


『え?』


「分かりやすいねん、なんか」


『なんやねんそれ、なんかって1番嫌やわ』


「とにかく、なんやったん?」


『言わへん』


「ええやん、なんか隠さなあかん理由でもあるん?」


『そーやないけど嫌や』


「じゃあウチも知らん」




そう言うとスタスタと歩き始めた




『ちょ、待てや』


「嫌や、大毅が言わへんなら口聞かん」


『もぉ話しとるやん』


「話さへん」


『あーもう!分かった分かったわ

話す話す、やから待てって』





そう言うとやっと立ち止まった




『そのー、俺ばっかやなって』


「え?」


『やから、俺ばっかり好きな気すんなって

うまく転がされとる言うか』


「やっぱアホなんちゃう?」


『はぁ?』





「ウチのが好きじゃアホんだら」




耳元でそう言ったかと思えば走り出して、


ある程度離れてから、振り返って舌出してきた




やっぱずるいわ


でも、知ってんで耳がちょっと赤なってんの