第24話

恋は盲"もく" ~中間~
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2021/04/15 13:45




中間side




合鍵を使って玄関を開けると

一気に煙たい匂いが漂う



『またか、』



そう呟きながら入ると

月明かりに照らされた○○の姿が見えた




「来たんや」



彼女のゆったりとした話し方は、

大人の余裕を感じさせる



『ちゃんと、今から行くってメール入れたで』

「あー、見んの忘れてた」



そう言いながら灰皿で火を消す




『なぁ、こっち』



そう言って

ゆっくり近づいてきた○○を腕の中に閉じ込める



「匂い服に移んで」



そう言いながら何気に俺の服を掴む




『○○』



俺の呼び掛けに顔をあげた彼女、

唇を重ねると、煙草特有の香りが口の中に広がる



『グフっ、ごホッ.....』



その煙たさにやられて咳き込むと



「淳太って、アホなん?」



そんな一言が飛んできた



「自分が煙草ムリなん分かってんのに、

煙草吸ったばっかの人とキスしたら

咳き込むに決まってるやん」


『しゃーないやん、したなってん』


「それがアホや言うてんねん、

そもそも、煙草ムリ言うてんのに

なんで吸う人と付き合おうと思うかね」



いかにもアホやなぁって言いたげにそう言った○○




俺にも分からへん、

昔から煙草の匂いは嗅いだだけで気分悪なるし

煙草は、吸う本人より、周りの方が害があるって聞いた時は

吸うのは自由やけど、嫌やなぁって思ったし



やから吸う人と付き合うなんて思てなかった



やけど、あの日

初めて会った時、一瞬で堕ちた



普段は煙草の匂いがするからと避けていた居酒屋に

望と照史に引き連れられて入ると、

店内に1人、カウンターに座る女の人が居って

それが○○やった。



可愛いって言うより綺麗で、一気に惹き付けられた

煙草を吸いながら、グイッと酒を飲む○○から目が離せやんくて

思わず声をかけた、



今考えたら完全なナンパやな




そっから必死やった、

大人な○○にどうやったらこっちを見て貰えるか



まぁ結局、振り向いて貰えたんかは分からんけど

それでもとりあえず、○○の隣は俺になった



煙草は今でも嫌いやけど、

○○が吸ってる限りは諦めるしかないし、

彼女がそばに居るんなら、まぁええか、

って、思えるぐらい俺は○○に溺れとる




あ、俺ええ事思いついた



『なぁ、俺の子供産んでや』



そしたら、○○は子供んために煙草辞めるやろ?

んで、俺には子供できるし、煙草の匂いも無くなる



ええ考えやと思わん?

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