第12話

ダブルスーサイド3
565
2020/11/05 08:17
『1924年5月3日 土曜日』
さとみ
さとみ
(病院のカレンダーはたしかその日付だったよな…)
ということは、ここは俺が元いた世界から20日前の世界。
しかも未来が異なるタイプの…
ころん
ころん
さとみさんは何にします?
さとみ
さとみ
あ、俺お茶だけでいいです
ころん
ころん
じゃあ…すいません、緑茶2つにみたらし団子ください
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
かしこまりました
ころん
ころん
さて…と
ころん
ころん
この度は助けていただきありがとうございました
さとみ
さとみ
いえいえ…それより傷は平気ですか?
ころん
ころん
平気です!慣れてますし
さとみ
さとみ
慣れてる…?
ころん
ころん
ああ、僕なんか女性に好かれることが多くて…
さとみ
さとみ
(…癪に障るなこいつ)
ころん
ころん
それで勝手に好かれてその恋仲の男にやられるんですよ、たまったもんじゃない
さとみ
さとみ
…気の毒だな
あ、それより調査のためにいくつか情報を得ておこう
さとみ
さとみ
ころんさんは…
ころん
ころん
あ!敬語ってやめませんか?僕さとみさんと仲良くなりたいんですけど!
さとみ
さとみ
お、おー…じゃあころん?
ころん
ころん
なにー?
さとみ
さとみ
今ころんは相手いないのか?相当モテてるみたいだが…
ころん
ころん
んー…
ころん
ころん
…まぁ、女の子に興味はないかな
さとみ
さとみ
へえ…もったいない
ころん
ころん
さとみくんは?いないの?
さとみ
さとみ
俺は仕事してるのが楽しいからな
ころん
ころん
なんの仕事?
さとみ
さとみ
一応探偵だよ。この辺りじゃ有名だぞ
ころん
ころん
え!全然知らなかった、探偵ってすごいね!
さとみ
さとみ
まぁな?俺は凄いからな!
ころん
ころん
うーわそういうこと言っちゃうんだ
さとみ
さとみ
あ?んだと?
ころん
ころん
うわ、ごめんなさいごめんなさい笑
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
お茶と団子お待ちどおさまー
ころん
ころん
あっありがとうございます!
2人で茶を飲む。
さとみ
さとみ
うまそー
ころん
ころん
いる?
さとみ
さとみ
ころんが持っていた串をそのまま俺の口へ突っ込む。
さとみ
さとみ
へー、うめぇ
ころん
ころん
でしょ!
ドキッ
さとみ
さとみ
(…ん?)
さとみ
さとみ
…気のせいか
────────────────────
ころん
ころん
さ、食べ終わったことだしどうしようかなぁ
さとみ
さとみ
家でゆっくり過ごしたらいいじゃん
ころん
ころん
あー…うちの家父さんが仕事を引き継げってうるさくて…
ころん
ころん
毎日逃げてる笑
さとみ
さとみ
継ぐのは嫌なのか?
ころん
ころん
父さんの会社すげーでかいからさ、僕じゃ抱えきれないと思うんだよね
さとみ
さとみ
でかい…?
ころん
ころん
あ、あそこの呉服屋だようち
さとみ
さとみ
あの青柳呉服店…?!?!
ころん
ころん
そー、僕服に興味無いし
さとみ
さとみ
おまっ…容姿端麗金持ちお坊ちゃんだったのかよ?!
ころん
ころん
うわ、その言い方最悪
ころん
ころん
僕はあの店に生まれただけで他の人と変わんないんだよ、特別贅沢な暮らしもしてない
さとみ
さとみ
へ、へぇー…
ころんも苦労してんだな…
さとみ
さとみ
(金持ちは関わるとろくなことが無いと俺の心が言っている)
さとみ
さとみ
あ…えっと、これから仕事あるからまたな!!
ころん
ころん
っえ?さとみくんー?!
さとみ
さとみ
じゃあなー!!
半ば強引にその場から立ち去る。
さとみ
さとみ
(早く元の世界に戻れるといいんだが…)

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