あれからだいぶ時が経った
死んでも肉体があるせいか僕の体は成長している
でもある時を境に成長は止まった
成長が止まってそしてまただいぶ時が経つ
白澤には森羅万象の知識があるらしく
そのため色んな事を教えてもらった
薬の調合・お酒の知識も
そして色々な所にも連れて行ってもらったりもした
麒麟と鳳凰ともあれから仲良くなり
白澤がいない時にも一緒にお茶会したり
白澤の話もしたりしていた
今の白澤を見ては驚いていると言う
僕と会う前の白澤は毎日毎日違う
女の人と過ごしそれがバレ振られる
でもまた新しい女の人を見つける
その繰り返しをしていたらしい
今は白澤一人で出かける事もあるが
大体は薬草を探しに行ったりするだけで
日が暮れる前には帰ってくる
女の人の話をする事もなく
今まで女の人の影も見たことはない
でも最初の頃白澤が出かけた後
帰ってくるときに頬が腫れていたり
怪我をして帰ってくることがあった
その話をすると二人は
きっとまだ繋がっていたのだろうと
それを解消し怒った女の人に
叩かれたり殴られたりしたのだろうと
自業自得だと笑っていた
そして白澤が帰ってくれば3人でお酒を飲んで
ワイワイしている
僕もお酒は飲めるようにはなったが
まだ沢山飲めるわけではない
なので大体は食べ物を作ったり
話に入ったりして過ごしている
突然後ろから抱き着かれ驚いた
お客さんと言われ不思議に思っていると閻魔が走ってこちらに来た
閻魔と会うのは久しぶりになる
前にあったときは丁に出会い鬼灯の名前をつけたと教えてくれた時だった
こうして僕は地獄で教師として働くことになった
小さい鬼の子供や狐の子色んな種族の子供たちに色んな事を教える
ここにいないのは死んだ人だけ地獄なので一歩外に出れば亡者
つまり死んだ人があちらこちらにいる
でもこの学び舎に来ることが出来るのは亡者以外の子供たち
小さくてかわいい子が沢山いる
そしてその中に丁...もとい鬼灯がいた
鬼火が言っていた通り僕の記憶は無いようだった
それでも僕に懐いてくれた他の生徒も僕に懐いてくれている
地獄で教師をし
天国で白澤と過ごす
そんな日々が続いた
―――――――――――――――――――
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。