結局あの後は外がうっすらと明るくなるまで続いてしまっていた…
流石に何もできず二人でずっと眠ってしまった
この時ほど休みで良かったと思った事はない
そして1年が経った
あの日から学校で白澤の話が度々出た
鬼灯,烏頭,蓬が皆に話したらしく特に女の子からは出会いやどんな生活をしているのかと聞かれる
そして何故か鬼灯からは白澤の何処が良いのかああいう人がタイプなのかとよく聞かれる
何故だろうか?
そして久々の休み
白澤は昨日の昼から現世に行っている
1日以上は経っていた
今までこんな事はなかった
遅くなったとしても日をまたぐ事はなかった
現世でも白澤は吉兆の印なため人に捕まりそうになった事があると言っていた
もしかしたら人に捕まっているかもしれない
どうしようかと考えていると麒麟と鳳凰が遊びに来た
二人に白澤が昨日から帰って来ないと言う
麒麟と鳳凰と一緒に白澤を探す
すると一つの大きい家が見えた
どうやら商人の家らしい
その家に白澤が捕まっている
今すぐに助け出そうと動こうとした
でも麒麟と鳳凰に押さえられた
しばらく様子を見る
すると何やら商人が怒っていた
どうやら富が欲しいそうだ
人間はいつの時代も自分勝手だ
鬼灯の時もそして今も
人間は嫌いだ
そして何故か明日の明け方に白澤を殺す事になったらしい
麒麟と鳳凰はその時の隙に白澤を救うと言った
今すぐにでも助けたいが今行っても何も変わらない
明日の夜明けを待つしかない
そして心配な気持ちを抱えたままに夜が更けていき日が昇る
白澤は商人の家の庭に連れられてきた
逃げるのならば外に出されている今しかない
麒麟と鳳凰にここにいろと言われ何も出来ずにただただじっとしてるしかなかった
麒麟と鳳凰が神獣の姿になり騒ぎ立てその隙に白澤は自由の身になりこちらに来る
僕も白澤の方に走る
それは白澤の後ろから商人が槍を白澤へ向けていたから
いつの間にか白澤の後ろに立ち槍はちょうど僕の胸に刺さっていた
そして白澤に倒れこむ
白澤に抱えられ僕はもうじき死ぬのだと理解した
2度目の死
僕は白澤にある頼みごとをした
それは閻魔のところに連れて行って欲しいとの願い
白澤は不思議そうな顔をしていたがそれを了承してくれた
白澤は静かに泣き
閻魔は大泣きしている
途切れ途切れになるものの僕の願いを閻魔に言う
閻魔が言いたいことは分かる
なぜそんなに用意周到なのかだろう
でもこれは勘という以外の言葉は見つからない
きっといつか自分がいつか死ぬことが分かっていたのだろう
そして生まれ変わり最終的に何がしたいのか考えた時に地獄で働きたいと思った
でも人が死んでなれるのは亡者だけ
鬼灯のように鬼火などを入れない限りは
前に教師の仕事に出かけるときに小さい鬼火と仲良くなり何故か学校から鬼火は出ることがなくそのまま学校で鬼火を飼った(?)
そしてその鬼火に大きくなった時僕の中に入って欲しいと言い鬼火はそれを了承してくれた
そして今まさに僕は死にかけている
亡者じゃなく肉体を連れているせいかもうじき死ぬ
白澤をこのまま置いて逝くのは心が痛い
そしてまだ教師をして日が経っていない
それも心残り
みんなの成長を見ていたかった
でもきっと次に会うときはみんな大人になっているのだろう
そう思った
白澤に最後のキスをし目を閉じる
そしてそのまま死んでいった
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。