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第7話

怒り
エレン
アニさん、何を考えているんですか?
 エレンはアニにそう尋ねると、アニはまた大きなため息をついた。


 しかしさっきよりも何かを感じているのか、そのため息が声とともに出ている。


 その呟きの内容は分からないが、どうやらこの世界の言葉ではなさそうだ。




 一体彼女は何者なんだろうか?
 




 エレンは考えようとしたが、頭に真っ白の壁が埋め尽くされて考えることすらできない。
 



 そこへリヴァイがやってきて、背中を見せてきた。


 おそらくエレンに負担をなくすために、おんぶをしようとしているのだろう。


 エレンはそれを見て、少し汗だくみながら戸惑う。


 リヴァイさんは結構優しい人だと分かったけれど、なぜこうまでしてエレンを救いたいのか? いや、それともこれは罠なのだろうか。
 

 エレンは恐る恐るリヴァイの背中に乗ってみると、彼は何のためらいもなくエレンを軽々と持ち上げた。


 彼はまだまだ体重が軽いので、持ち上げられるのだが。
リヴァイ
エレン、俺がお前の家まで連れてってやるよ
 リヴァイの目の下に黒い影ができているが、エレンはそれを全く感じずに家へ帰れる喜びで胸がいっぱいだった。
 

  実際にエレンは自分の我が家にリヴァイとアニとで入ったけれど、父も母もそこにはいなかった。


  おそらく自分が最後の生き残りなのだろう。


  家の床には赤黒い血がこびりついており、巨人によって父と母のどちらかが殺されたのだ。


  何という残酷な事実だ。
アニ
恐らく殺された跡だろう。
もう助からない確率は高いね
 隣にいたアニが、腐りかけている骨の破片を眺めながらこうエレンに事実を教えた。 


 エレンは発狂するかのように、涙をこぼしながら地面を手で叩いて怒り出した。


 その悲しみに混じった声は家中に響き渡る。
エレン
何でだよ!
何で助けられなかったんだよ。
エレン
あんたら調査兵団だろ?
調査兵団だったら何とかしてくれるんだろ?
エレン
ふざけんじゃねぇよ!
人1人を助けられないなら、調査兵団なんて……
 エレンが最後まで怒り散らす前に、リヴァイは彼の頬を右足でけり飛ばした。


 その威力いりょくはあまりにも強く、ほほが赤らんでヒリヒリと痛む。


 虫歯だった歯が1つ欠けてしまい、少しだけすっきりしたけれど……最後まで言うことができなかったので、少し後悔の念がふつふつとき上がる。
リヴァイ
これ以上、俺らに苦情を言うな。
リヴァイ
なんていったって、巨人の数が多すぎるからな。全てを駆除させるのはあまりにも厄介だ。
リヴァイ
特に超大型巨人の群れが一番難解だ。てめえみないな呑気な野郎は、生き残れねえよ。どんな手段でもな
 確かにリヴァイさんの言う通りだとエレンは思った。


 確かに失ったものを嘆いたって仕方がないし、調査兵団は何も悪くない。


 悪いのはあの巨人なんだ。


 あいつらがいなくなれば、この世界は平和で穏やかに過ごせるのだから。
 





 エレンはこぶしを握りしめ、家から飛び出した。


 扉のドアの目の前にある柵に手をかけて、エレンは巨人どもにこう嘆く。


 涙をこぼして、後悔している心に支配されるかのように。
エレン
駆逐してやる。この世から一匹残らず!
 それを聞いていたアニはエレンの肩を強く握り、頭を横に振った。
アニ
エレン、あなたに何ができるの?
アニ
立体機動装置に乗れないあなたには何もできない。ここは私たちに任せて
 アニはガスを発射させ、近くにいた小さめの巨人に切りかかる。その姿はまさにトンビのような速さだった。

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プッチンプリン
プッチンプリン
シリアスな話と奥の深い話が好きな人です。 主にBLとホラーとダークファンタジーを書いてます。 よろしくお願いします👍👍 フォローされてもフォローを返さないこともよくあるんで、ご注意ください。 また満足できなかった作品は消す主義なので、よろしくお願いします。
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