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第1話

序章1
エレン
父さん!母さん!
エレン少年はシガンシナ区にある小さな木で作られた家に、そう声をかけた。





彼の父は壁外出身で医者をしているグリシャ・イェーガー。


彼は巨人の身体からあふれてくる有毒な物質を吸い込んだ多くの苦しんでいた人々を、一瞬で治療ちりょうしたという偉業いぎょうを果たしている。


彼は壁内のために、たくさん貢献こうけんしたといえよう。
 



エレンの母親のカルラは地下街にある喫茶きっさ店で働いていた。


キース教官が彼女を紹介し、付き合っていた結果結婚にまで発展した。




結婚して子供ができ、その子供にはかつて1つ前に「進撃の巨人」を継承けいしょうしていたエレン・クルーガーと同じ名前を与えることに決めた。


なぜならグリシャはクルーガーと約束したからだ。
クルーガー
もし、男の子が生まれたら『エレン』と名付けてほしい。歴史は何回も繰り返されるのだから、それは当たり前のことだ
目を細めて意味深そうに……。




そんな2人にできた子供エレン・イェーガーは、友達のアルミンと遊んだ後のようでクタクタに汗だくんでいる。


どうやらそこら辺を走り回ったり鬼ごっこをしていたようだ。


おそらく体力のないアルミンは、ついていけなかっただろうといえる。


エレン少年は手を適当に水だけで洗い、木でできたイスに座る。


もう少しで夕飯の時間のようで、スプーンとフォークを握りしめている。
 
カルラ
もう少しでできますよ
エレンは目をキラキラと輝かせながら夕飯を待っていると、カルラは木のテーブルにたくさん盛られたシチューをドサっと置いた。


大きなお皿に盛られたシチューから湯気がもくもくとあふれてくる。


エレンはよだれを垂らしながらスプーンですくい、受け皿に入れた。




そこへちょうど父であるグリシャが帰ってきた。


鼻をクンクンさせて、湯気の匂いをいでいる。
グリシャ
今日はシチューとパンとミートボールか。
カルラが作るのはどれも絶品だ
グリシャはエレンの隣に腰を下ろす。




カルラはその言葉にびっくりしてほおを赤らめている。


心からうれしいのだろう。
 









グリシャは夕飯を食べながら、エレンの方を見やった。
グリシャ
エレン。
明日親戚しんせきの家にお邪魔じゃまするんだけれど、行くか?
エレンと同い年の女の子がいるんだけど
グリシャはもぐもぐと口を動かしながらエレンに尋ねたが、彼は肩を震わせてスプーンを床に落としてしまった。


床にはクリーム色のシチューとオレンジ色のニンジンがべっちょりと付着している。


彼の服にもクリーム色の液体がこびりつく。


けれどエレンはそんなことも気にせずに何も言わなかった。


青ざめた顔をずっと維持いじしている。


何か不安におびえているような……めまいのしそうな顔だった。
グリシャ
どうした? エレン。嫌なのか
エレンは何も言わず、イスに腰を下ろしているカルラが心配しても口を閉じてただただ黙っている。


そうしているうちに、エレンはイスから下りて自分の個室へすぐさま帰った。


食べかけのシチューとミートボールを残して。










グリシャとカルラは目を合わせた。


2人とも疑問に思ったけれど、これは彼にしか分からないと判断し考えるのをやめてしまった。


息子を第一に考えて、そっとしておいた方が身のためだからと思ったのだろう。

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プッチンプリン
プッチンプリン
シリアスな話と奥の深い話が好きな人です。 主にBLとホラーとダークファンタジーを書いてます。 よろしくお願いします👍👍 フォローされてもフォローを返さないこともよくあるんで、ご注意ください。 また満足できなかった作品は消す主義なので、よろしくお願いします。
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