第21話

彼 女
302
2018/09/09 03:22
またまた前回から続きです。


末李said
椿姫
椿姫
そろそろ本当のこと、言った方がいいと思うよ。
椿姫
椿姫
雪菜に…
末李
末李
………
末李
末李
ふははっ。なんのこと?
椿姫
椿姫
とぼけないで!
末李
末李
…………。
初めて見た井上の本気で怒った顔。

だけど悲しい顔をしている。

???
私も…聞きたいな。
末李
末李
えっ?
末李
末李
雪菜?
雪菜
雪菜
……うん。
末李
末李
えっ。なんで⁉︎コンクール会場に⁉︎
雪菜
雪菜
あ、えっと、話すと長くなるんだけど。



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コンクールの朝、私雪菜は…
雪菜
雪菜
あーあ。夏休みの宿題も終わったし…。ヒマだなぁ。
雪菜
雪菜
……散歩にでも行こうかな。
マンションのポストをふと見ると、一通の手紙が。
雪菜
雪菜
??だれ?
私宛ての茶色い封筒。

送り主の名前は


ない。
中身を確認する。


それは………










コンクールのチケットだった。
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雪菜
雪菜
送り主の名前はなかったけど私には誰かすぐ分かった。
雪菜
雪菜
……椿姫。ありがとう。
椿姫
椿姫
……ううん。よく分かったね。
雪菜
雪菜
そりゃあ、これだけ一緒にいれば、椿姫の字くらいわかるよ。
末李
末李
………
椿姫
椿姫
…で、言わなきゃでしょ?雪菜に本当のこと。
末李
末李
……うん。
俺が雪菜の事を好きになる前、
俺には……
彼女がいた。それが…
末李
末李
…あみかだった。
雪菜
雪菜
………!
末李
末李
あみかは突然俺…俺たちの前からいなくなってしまった。
末李
末李
あみかがいなくて、どうしようもなかった俺の前に現れたのが…雪菜だった。
末李
末李
あみかと雪菜はどことなく似ていた。もちろん顔や体格は違うけど、なにかが…。
末李
末李
俺が雪菜の事を好きになったのは、あみかと似た、心の温かさに惹かれたからだ。
雪菜
雪菜
………
末李
末李
覚えてる?俺が吹いたフルートのソロ曲。
雪菜
雪菜
うん。
無伴奏フルートのための12のファンタジア…だよね?
末李
末李
そう。その曲は、あみかの大好きな曲だった。吹奏楽部でもないのに、吹奏楽の曲が好きになってくれたのが、嬉しかった。
末李
末李
でもあみかがいなかなってからは一度も吹くつもりはなかった。
だけど雪菜に…俺の気持ちを気づいて欲しくて、吹いたんだ。
いつしか言っていた。


君に届け…。


もしかしたら『君』とは


私だけじゃなく、あみかも意味していたのかも知れない。
私のことを好きでいてくれている末李が、あみかの彼氏…。


複雑な関係、

衝撃の事実。

思わず涙が止まらなかった。
あの曲、

あの言葉、

あの行動…

全てに意味があった。


気づくことができなかったけど、そこまで私のことを思ってくれている末李くんのことが…私は
私は…。
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冬娜
冬娜
どうも。冬娜です!
冬娜
冬娜
ついにクライマックスですねぇ。
冬娜
冬娜
もしかしたら次回で終わってしまうかも…。
それとも、もうちょっと延ばすかも…。そこは作者の気まぐれで決めさせていただきます!
冬娜
冬娜
それでは次回もお楽しみに!

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