第2話

ココハダレワタシハドコ??
42
2021/06/28 08:52
パキャ
パキャ
......
ファル
ファル
......僕はファルだ。
パキャ
パキャ
......え?
ファル
ファル
どうした、急に。
パキャ
パキャ
あ、私はパキャ。
......え、何が?
ファル
ファル
知っている。
だって、いきなり「あー!」って叫んだじゃん。
パキャ
パキャ
......そうだけど。
パキャ
パキャ
自分もなんで叫んだかわかんない!
ファル
ファル
......。
 ファルと名乗った少年はため息まじりに俯く。
......ように見えたが、なにやら、不思議な模様の絨毯を見下ろしていた。
見渡すとここはとても広く、人が30人入ってもきつくなさそうだった。
掃除も施されていて、とてもピカピカしている。


......ん......?
パキャ
パキャ
......
パキャ
パキャ
ココハダレワタシハドコ??
ファル
ファル
......は?
パキャ
パキャ
......ねえ、ファル君、だっけ。
ファル
ファル
ファルでいい。
パキャ
パキャ
じゃ、ファル、
ファル
ファル
何?
パキャ
パキャ
昨日まで何してたか覚えてる?
私なんかなにも思い出せないの。
ファル
ファル
......僕もだ。
みんなもそうみたい。
パキャ
パキャ
......みんな?
ファル
ファル
ああ。......君は目覚めるのがあまりにも遅かったから。
 そういわれて、パキャは、いつしか気づいた真ん丸な掛け時計に目線を向ける。
パキャ
パキャ
......げっ!3時!!
ファル
ファル
みんな遅くても9時には目覚めてたよ。
なぜ、こんなかたい床の上で15時まで寝られるのかな君は。
パキャ
パキャ
うっ......
......それと、「君」じゃなくて「パキャ」って呼んでよっ!
私も「ファル」って呼ぶからさっ!
ファル
ファル
......わかった。
 ファルは無愛想な返事だが、パキャはにっこりと微笑んだ。
パキャ
パキャ
(......なんか、「ファル」って、聞いたことあるっていうか、なんか懐かしいような......?
てかなんで私の名前知ってたの??)
 そんなパキャの思考をブチ切るように、明るい大声がロビーに響いた。
ベニ
ベニ
お腹すいたーーーーーーー!!!!!!

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