「桜井さん、この資料終わった?」
「あ、もう少しで終わります」
「さっさとやって、次もまだあるから」
目も合わせず仕事だけ置いていく先輩
「こんな時間になっちゃった…」
残業してるのはわたしだけ
一人静かなオフィスってこんな悲しくなるんだな
涙が一筋落ちると止まらず溢れてくる
ここを乗り越えればきっと頑張れる
そう分かっていても悲しくなって。
慎"あなた、今日会える?"
慎太郎からだ
今すぐにでも逢いたい
でもこんな自分で逢いたくない
"ごめーん、今日歓迎会開いてもらってるから遅くなっちゃうかも!
また今度でいいかな?本当ごめんね"
慎太郎が心配しないように嘘をついた
慎"了解、飲みすぎには気を付けろよ(笑)"
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。