目が覚めるとベッドの上にいた
額には冷えピタが貼ってあり服も部屋着になっている
ガチャ
寝室のドアの方を見ると慎太郎が入ってきた
「慎太郎、ごめん」
起き上がろうとすると
慎『寝てないとダメだよ』
そう言われてまた布団に入る
慎太郎、怒ってる
それか呆れてるのか顔が怖い
嘘までついて結果、看病までさせちゃって怒っても呆れるのも当然だと思う
「本当色々ごめんね?慎太郎に迷惑ばっかりかけちゃって…」
私が座る体勢になって慎太郎の顔を覗き込むが目を合わせない
嫌いになった?
もう別れたいと思ってる?
自分の愚かさと悲しさで涙が目にたまる
すると慎太郎が急にこっちを向く
慎『あなたさ、
なんで体調悪いならすぐ頼ってくれないの?
看病することなんて彼氏なら当たり前だし謝ることじゃないでしょ
俺に気使う必要なんてないんだよ、ちゃんと甘えて欲しいし頼って欲しい
そんなに頼りない?』
慎太郎は私の泣き顔をみてニコッと笑う
慎『わかった?』
「…うん、慎太郎だいすき」
泣きながらそういうと抱きしめてくれる
彼の温かさが体も心も温めてくれた
Fin
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!