大我が私の腕を引いて抱きしめる
子供みたいにギュッと強く抱きしめてきて。
「どうしたの、大我」
何かを察したのか一向に力を緩めない
「大我、あのね」
大『いやだ』
「私結婚するの」
その言葉を聞いた彼が少し力を緩めたから
あなたの顔をちゃんと見て話す
「だからねここにはもう来ない」
好きだった
あなたの何もかもが。
誰よりも好きだった
でも、私の好きなあなたでいてもらうには
私があなたのそばにいてはいけない
大『…俺のこと好きじゃないのかよ』
「私は結婚したいの」
大我との未来はきっと幸せではあるんだろう
でも安らぎは見えなくて
あなたにはもっと他にいい人がいる。
大『…ごめん、俺のために突き放してくれてるんだよね』
彼が私の髪の毛を撫でる
大『俺は幸せにできなかったけど…幸せになってね』
そう最後にキスをしてくれたあなたとの恋、
私は一生忘れない。
Fin
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。