俺にも好きな人ができた。
こんな気持ち初めてで、大切にしたいと思う人。
その人は明るい笑顔がとても良く似合っていて、
一目で俺は恋に落ちた。
知り合ったきっかけは、学校の帰り道。
雨の日のことだった。
昇降口で、
バサッ!
ふと横を見ると、ずっと空を見つめている女子が…
でもその女の子は、うちの制服は着ていなくて、私服姿だった。
まぁ…いいか
と思って歩き出したその時…
ギュッ。←ジミンのブレザーの裾を握る。
慌てて振り返る俺。
ちょーーー 上目遣い上手に話してくる彼女に、なんとも思わなかった俺だが、
困ってる人は助けなくちゃ。
という俺の中の変な善人意識が働いてしまった…
なんて、満面の笑みで言うもんだから、
たまにはこういうのもありか…なんて思っちゃったりして…w
でも、こんなに屈託なく笑う人を俺は知らない。
そう思った。
トコトコ…テクテク…🚶
バス停までの約5分間。
二人の間の沈黙を彼女はいとも簡単に取り除いた。
あっという間にバス停に到着し、彼女は足早にバスに乗り込もうとする。
乗り込む前、彼女は俺に、
なんて言って、俺に名刺を渡してきた。
いや普通、自分がお世話になった相手の連絡先聞いて、自分からお礼にさそうだろ!
なんて思ったけど、まぁいいかと思いそのまま家路を急ぐ。
数日後、夜。
俺は名刺に電話をかけることにした。
ピッポッパ…
プルルルル…プルルルル… ガチャ。
ガチャン!☎️
こうして、俺らは会うことになった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。