第84話

番外編2 「兄としての願い」
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2024/03/14 14:10
あなたside
あなた
んっ…

意識を取り戻して、まず思ったのは喉が焼けるような不快感だった

これは完璧に体調を崩してしまっているようだ

以前から何回も忠告されてきたのに流石に倒れたとなると酷く怒られるだろうなと、まだ開いていない瞼をゆっくりと時間をかけて開いた
あなた
まぶ…し

流石にカーテンをかけて暗くしてくれているとはいえ、ずっと暗闇にいた目では明るかったらしい

声もやはりかすれている
あなた
(とはいえ、ここは何処だろう)

体は未だ鉛のように重いので、見渡せる限りの視界の範囲では、ここが家でもなければ病院でも無いことしか分からない

あなた

ふと、足元付近に気配を感じ少し首を起こして見ると、兄が寝ていた

ベットにも横にならず椅子で寝ている様子だった
あなた
お兄…ちゃん


相変わらずこの意の通りにならない声が煩わしい





しかし、兄はそんな声でも届いたらしい

めめんともり
あなたッ!!!!
あなた
(待って、申し訳ないけど煩い)



頭に響くから大きな声は是非避けて欲しい…
当然その言葉を発する元気も無いのだが



めめんともり
あ、あぁそうだ来兎に…
あなた
(来兎…?)



熱にやられた頭でも流石に察することが出来た
ここは多分来兎の家だろう。彼ならやりかねないし、それにあの時の記憶も段々戻ってきた
あの時一緒に来兎と歩いて帰っていたはずだ。途中から記憶が無いことを鑑みるに倒れたのはその時だろう



あなた
(申し訳ないことをしてしまった…)
あなた
(流石に高校生にもなって倒れるまで体調管理が出来ないとか…あいつのことバカにもできないな)


私は布団からはみ出している自分の手を見て考えていた




数分して来兎と医者が走ってきた
あなた
(歩いてこい💢)

当の本人の呑気さとは打って変わり彼らは忙しそうだ

名波 来兎
あなた…
名波 来兎
本当に君は…

来兎は兄とは違い私を気にかけて声量を下げてくれている。これが配慮だ我が兄よ





医者が言うにはただの体調不良らしい
急な寒暖差に体が追いつかなかったのだろうとの事

あなた
そうなんですか

横から強烈な視線を感じる。
ここで寝てもいいだろうか

めめんともり
あなた?お兄ちゃんと話があるよね


あなた
(はは…)やっぱり?




要約すると、体の異変を感じたら報告すること。もう一度同じようなことがあれば毎日俺が検温するとこのこと

あなた
ぜひやめて欲しい


あれだけのことを冒したのだから、もっと怒ってもいいはずだか兄はこれ以上何も言わなかった



反対に、来兎からは口煩く言われてしまった

名波 来兎
まず、人に頼る!何でもかんでも詰め込まない!昔からそうだったよね。本当に治ったと思ったのにまた…他にも、もし体調おかしいとか思ってたんならあの時俺に車頼むとかさ、やれることあったよね??体調不良とは言わずともこれ以上悪化させないようにするとか、他にも……(
あなた
わかったわかった(適当)




そして、私は念の為1週間ほど来兎の家に滞在することになった。私としては3日も経てば帰りたかったのだが
兄と来兎にこれだけは譲れないと挙句の果てにスマホやパソコンまで取られてしまった
あなた
暇…


正直、私は倒れた原因は別にあると考えていた

























それは、間違いなく…






あなた
『過労』





私は起こしていた体をすっと枕に吸い込まれるように倒れた
ぽすっと軽い音が鳴る
天井のよく分からない模様をぼんやりと眺めて私はまたぽつりと呟いた



あなた
あの二人知ってたんだろうな



多分二人は私が倒れた本当の理由を知っている。じゃなきゃここまで私からスマホとパソコン仕 事 用 具を奪わないだろう

彼らのそういう所は嫌いだ。気づいていないようにして私に気を配る。
そして、あまつさえ私を理解した気でいるところが嫌いだ

あなた
ふわぁ…ねむ。


私は体を横に向け瞼を閉じて暗闇に吸い込まれた









召都side


と。いうことがあってその後バレンタイン云々は流れてしまったのである。
もともと俺と来兎にしか渡さないので問題は無かったらしい…


めめんともり
いや、あるよ!!大問題だよ!
めめんともり
というか回想にどんだけ使ってるんだよって声が聞こえる(約3500文字)……特にAが付きそうな人から
めめんともり
って、それより


貰ってないのに返すというのは、却ってあなたの負担にならないだろうか
ここ数日はその事ばかりだ

あれ、でも普段から迷惑かけてるし、迷惑料で渡せばいいか



問題は解決した。()









3月14日 今日はホワイトデーだ。



時刻は20時。今日のやるべきことを終え一段落ついた頃だ



めめんともり
(よし、俺なら行ける!)



俺は冷蔵庫に行き、それを皿にのせてあなたの前に運んだ

あなた
これ…
めめんともり
チョコケーキ
めめんともり
流石に作れなかったから、お店のだけどプレートは俺が描いたんだ


お店で買ったケーキにチョコを切って固めプレートを作り、その上からチョコペンで文字を描いて装飾した
俺には精々これが限界だった

めめんともり
それと…これはネイルの欲しがってたやつとヘアピン、ピンに関しては俺の感性で選んだから気に入らなかった友達にでも…





俺はぎょっとした











何故なら目の前に佇む
愛する妹の目にうっすらと涙が浮かんでいたからだ

めめんともり
え、そ、そんなに嫌だった…?




パンッと頬を自分で挟むとあなたは、俺の方をまっすぐ見た
思いがけない視線に俺はビクッとなって瞬きをしてしまった

あなた
お兄ちゃんってほんとに馬鹿だよね
めめんともり
え、罵倒…
あなた
この状況で喜ばない人なんていないでしょ



そこにはもう、目を潤わせていた彼女はいなかった



めめんともり
(いつものあなただ。)
あなた
ありがと。本当に嬉しい、あのお兄ちゃんがこんなに成長するなんて


あれ?一応俺が兄だよな…。なんか反応が親のそれなんだが
あなた
今年のバレンタインは用意できなかったから正直お返しはないと思ってたから驚いたよ
あなた
しかも、ネイルはもちろんだけど、このヘアピンとっても可愛い
あなた
つけるのが楽しみ


そう言ってあなたは、頬を少し紅潮させた

めめんともり
(良かった)


あなたは、最近俺には何も言わないが忙しくしているようだったので気休めになれば良いなと用意した


たとえ俺の本心に気づかなくても、今この瞬間嬉しいとそう思ってくれたのならこれ以上に願うことは無い


あなた
んっ!ケーキうま!
あなた
早く食べないの?
めめんともり
うん、食べるよ



めめんともり
来年は何かな〜
あなた
来年もタダ飯にしようかな〜
めめんともり
え…ダメじゃないけど体調だけは崩さないでね
あなた
あ、そこは良いんだ。



少し苦いチョコと一緒に俺はそれを噛み潰した







-------------キリトリセン--------------

あまね(主)
久しぶりにちゃんと書いた希ガス(
あまね(主)
なぜ書きはじめたのかは雑談の最新話をご覧くださいませ
あまね(主)
ちなみに来兎もちゃんとホワイトデー渡してます。
めっちゃいい子だ……あなた大切にしろよ…

続きまして𝑻𝒉𝒂𝒏𝒌𝒔コーナー!
あまね(主)
スポットライトありがとうございます!!!!
めっちゃ励みです!


続きまして、FAのコーナー
あまね(主)
めちゃめちゃ可愛い子発見
あまね(主)
詩さんありがとう!!!
♡×50    NEXTSTORY
出来れば☆600行きたい(

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