~紫耀side~
うるさいレイナちゃんの相手を適当にしつつも、やっと到着したマンション
早く帰ってあなたさんにLINEしたい
という気持ちでいっぱいな俺は早々に車から降りようとしたけど...
最後の最後までレイナちゃんはうるさかった
俺こんなことで足止めくらってる暇ねえんだけど
それなのにレイナちゃんはキラキラ目も顔も輝かせて俺のマンションを眺めてる
なんて言いながらチラチラ俺のこと見てくっけど...
ま、そんなの知らんぷりってゆーかスルーだ
もうレイナちゃんと一緒に帰る機会なんてねえよ
こんな心地の悪い車に乗るなんざもう懲り懲りだ
なんて事はぜってえ言えねえけど、とりあえず適当に返事をすれば、やっと家に帰ることが出来た
がしかし、俺がいなくなった車内でこんな企みがあったとは知らなかった
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帰って来て早々にあなたさんとのLINEのトーク画面を開くと、スマホを握り締めながら思考を巡らせる
今帰って来たよ
なんて彼氏が彼女にするような文でも送ってみよっかな
そうと決まれば早速文字をタップ...
をしようとしたところで、丁度あなたさんからLINEが来てしまった
マジでどうしよ!!なんか恥ずいし気まずいし!!
とか一人でテンパってたら立て続けにもう一件来た
そうだよ!!
まさに今LINEしようとしてたところだよ!!
って普通に返せばいいのに、テンパり過ぎてる俺は咄嗟に音声通話をタップしてしまった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。