~あなたside~
涙がやっと止まった頃に着いた自宅
今日一日を振り返るととても濃い一日だった
要するにとても疲れた
実家から急いで車を飛ばして都心へと帰って来た身
体的の疲労感
紫耀くんとレイナちゃんの熱愛報道の件と、私と紫耀くんの関係の件での精神的の疲労感
ま、どれが一番か聞かれたら紫耀くんへの想いを断ち切ったことだけど
ホントなら今すぐにシャワーを浴びて泥のように眠ってしまいたいところだけど、もう一仕事やらないといけないことがある
私は一息つく事もせずパソコンを開けば文字を打ち込み始める
次、紫耀くんのマネージャーをやる人の為への引き継ぎ書を用意するために...
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約束してた予定通りの朝8時
天気は今にも雨が降り出しそうな曇り
私の心も気を抜くとどんよりしちゃいそうだけど、何事も無かったかのようにいつも通り紫耀くんに朝の挨拶をする
一方紫耀くんは気が沈んでそうだったけど、いつもと変わらない私に何かを察したのか普通に挨拶を返してくれた
うん、今日は紫耀くんの悲しい顔は見たくないし、私も悲しい顔はしたくない
だって最後の紫耀くん担当のマネージャー業を勤める日なんだから……
現場へ向かう車の中
笑いながらチラッと隣を見れば紫耀くんも同じように笑ってた
良かった、いつも通りだ
紫耀くんが車に乗るまで不安だったんだよね
後ろに座るって言ったらどうしようかって
普通に助手席に乗ってくれて良かったよ
会話もいつも通り出来てる
昨日の別れ際にあった件を持ち出されたらどうしようかヒヤヒヤしてるけど、多分紫耀くんも空気を読んでくれてるのだろう
一切それについては触れて来ない
こうやって紫耀くんを現場に送り出すのも最後
だからこの言葉を送るのも最後だ
紫耀くんのやる気を引き出す魔法の言葉
精一杯、ありったけの気持ちを込めて送った
どうか効果が一生消えませんように
と祈りを込めて...