~あなたside~
事務所を後にすれば次に車を走らせるのは紫耀くんのマンションだ
レイナちゃんとの熱愛報道について本人から詳しく話を聞かなければならない
ホントは会いたくない
表向きでは否定してても紫耀くんの本心は実際に会って聞き出さないと分からない
でも聞くのが怖い
ホントに付き合ってたらどうしよう
でもちゃんと話を聞かないとダメなんだ
それはマネージャーとしての仕事でもあるんだから…
私がアポ無しで急に訪問したからか、めっちゃ焦ってる紫耀くん
私はあくまでもマネージャーとしての立場を忘れまいと気を引き締めてリビングへと足を踏み入れた
お茶淹れるって言ってもペットボトルのだけどなあ~、と苦笑いしながらキッチンへと向かう紫耀くんの背中を目で追いながら私は言われた通りソファに腰を下ろす
そして、改めてリビングを見渡しながらこんな事を思ってしまった
レイナちゃんもリビングに入ったのだろうか
このソファに座ったのだろうか
もしかしたらリビングだけじゃなくて紫耀くんの寝室にも…
うん、最近よくコンビニで買ってるの見てるから知ってるよ
ってこの紫耀くんのお気に入り商品情報…レイナちゃんも知ってるのかな…
レイナちゃんもここでこのお茶…飲んだのかな…
まさか紫耀くんとレイナちゃんがここで何をしてたのか想像してた…なんて言えるわけがない
うん、もうここに来た本来の目的の話を切り出そう
と私はもう一口お茶を飲み、テーブルにグラスを置いたのと同時に深く息を吐いた