第67話

気持ちを押し殺して
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2023/08/05 12:09



鳳条
鳳条
話がしたいんだけど…いい?
平野紫耀
平野紫耀
ぁ、うん…今自動ドア開ける


~あなたside~



事務所を後にすれば次に車を走らせるのは紫耀くんのマンションだ

レイナちゃんとの熱愛報道について本人から詳しく話を聞かなければならない

ホントは会いたくない
表向きでは否定してても紫耀くんの本心は実際に会って聞き出さないと分からない

でも聞くのが怖い
ホントに付き合ってたらどうしよう

でもちゃんと話を聞かないとダメなんだ
それはマネージャーとしての仕事でもあるんだから…





平野紫耀
平野紫耀
あなたさん…こっち帰ってくるの明日だったよな…?
鳳条
鳳条
そうだけど…
平野紫耀
平野紫耀
もしかして…
鳳条
鳳条
うん、今多分紫耀くんの頭の中にある事を話に来たよ
平野紫耀
平野紫耀
そっか…
鳳条
鳳条
玄関で話すような内容じゃないからさ…お邪魔しても良い?
平野紫耀
平野紫耀
ぁ、うん、それは勿論!ごめん、気が利かなくて!
鳳条
鳳条
ううん、お邪魔するね


私がアポ無しで急に訪問したからか、めっちゃ焦ってる紫耀くん
私はあくまでもマネージャーとしての立場を忘れまいと気を引き締めてリビングへと足を踏み入れた


平野紫耀
平野紫耀
適当にソファにでも座ってて?俺、お茶淹れて来るから
鳳条
鳳条
ぁ、そんな気を使わなくていいよ!お構い無く!
平野紫耀
平野紫耀
良いから!座って待ってて?
鳳条
鳳条
う、うん…ありがとう


お茶淹れるって言ってもペットボトルのだけどなあ~、と苦笑いしながらキッチンへと向かう紫耀くんの背中を目で追いながら私は言われた通りソファに腰を下ろす
そして、改めてリビングを見渡しながらこんな事を思ってしまった


レイナちゃんもリビングに入ったのだろうか
このソファに座ったのだろうか
もしかしたらリビングだけじゃなくて紫耀くんの寝室にも…

平野紫耀
平野紫耀
あなたさん、はいお茶。それ最近俺がハマっててよく飲んでるやつなんだ
鳳条
鳳条
へえ、そうなんだ?ありがとう、頂くね


うん、最近よくコンビニで買ってるの見てるから知ってるよ
ってこの紫耀くんのお気に入り商品情報…レイナちゃんも知ってるのかな…
レイナちゃんもここでこのお茶…飲んだのかな…


平野紫耀
平野紫耀
…さん、…さん…あなたさん!
鳳条
鳳条
んえっ!?な、なにっ!?
平野紫耀
平野紫耀
いやあの…すげえボーッとしてるけど…今なに考えてるのかな…って
鳳条
鳳条
あーうん…まあ、その…なんてゆーか…


まさか紫耀くんとレイナちゃんがここで何をしてたのか想像してた…なんて言えるわけがない
うん、もうここに来た本来の目的の話を切り出そう

と私はもう一口お茶を飲み、テーブルにグラスを置いたのと同時に深く息を吐いた

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